周りの人間を肯定的にとらえること
先ほど、「イエスアンドマン」になるのをおススメしましたが、そのためには重要なコツがあります。それは、周りの人間を肯定的にとらえることです。なぜなら、周りを否定的にとらえた上で相手を受け入れようとすると、悪意があると感じられてしまうことがあるからです。
私にはかわいがっている後輩たちがいます。その彼らが小さな映像制作会社を立ち上げ、多くの案件をこなして大活躍しているという噂を聞きました。私も、できれば気心の知れた知り合いにやってもらいたいと思ったので、仕事を後輩たちに頼みました。
すると、納品するという最低限のことはこなしてくれたものの、とても態度が悪く、見積書、請求書、領収書をいくらお願いしても発行してくれないのです。あたかも「こんな安い仕事は本当はやりたくなかった。でも、あなたの頼みだから仕方かもなくやっている」とでも言いたげな雰囲気を終始醸し出していました。
そのとき、後輩たちに怒りが湧いてきました。しかし、私も大人です。怒りを押し殺して、「君たち、ずいぶん大物になっちゃったんだね。普段はもっとギャラの高い仕事してるの?」と聞きました。
すると彼らは、「はい。ありがたいことに、そうですね」とヘラヘラし、私をバカにするかのような態度を取り続けたのです。
「ギャラの安い仕事だと思うなら断ればいい!仮に引き受けたのなら、一生懸命やれよ!」と、心の中では本当にブチ切れていました。実際、「キレキャラ」だった昔の私なら怒りをストレートにぶつけていたはずです。
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