不満ゼロの理想郷を追い求めると、人は必ず不幸になる

MITやスタンフォード大学などのMBAの授業にも取り入れられている即興演劇論(インプロ)をベースに、『自分の居場所はどこにある?』を深掘りする連載 (不定期更新)

不満ゼロの理想郷の居場所はない

このようなことを言うと、そんな妥協の産物のような居場所ではなくて、自分は完璧な居場所を求めているのだと不満に思う人もいるかもしれません。しかし、残酷なことを言いますが、不満ゼロの理想郷はこの世には存在しません。

もし、あなたの不平不満がまったくないのであれば、誰かが我慢してストレスをた溜めているはずです。あるいは、新たな出会いにテンションが高まりすぎて、一時的に自分のストレスに気づいていないだけかもしれません。もしくは昔のことすぎ て、理想的な居場所という美しい記憶だけが残り、そのときの苦労や努力は忘れていることもありえます。

たとえば、かなりワガママな人と交際することを想像してみてください。付き合 い始めの頃は、相手のワガママな要求をすべて受け入れることも楽しいと感じることもあります。いわゆる、新たな出会いに熱を上げており、不満がまったく見えなくなっている状態です。

しかし、人間関係においてあまりにも「ギブ&テイク」のバランスが崩れていると、何らかのかたちで崩壊していきます。最初は相手のワガママぶりに疑問を持た なかったとしても、だんだん「なんで自分だけ?」という思いになり、相手に対する認識が変わっていきます。

そうなると、そのワガママな相手に対して、少し機嫌悪く接するようになるはず です。すると「今までと同じなのに、なんで今日は機嫌が悪いのか?」と相手は不満を募らせ、お互いにストレスを溜めてしまうのです。

つまり、居場所探しをする人が「不満ゼロの理想郷の居場所」を探してしまった ら、どツボにハマるということです。理想の居場所を発見したと感じても、それは 錯覚で、そんな居場所は最初からなかったのです。

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渡辺龍太

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hiramotok 面白い。なるほど。/不満ゼロの理想郷を追い求めると、人は必ず不幸になる| 8ヶ月前 replyretweetfavorite