第2章 リアルな居場所づくり
この世に2つと同じノリの居場所はない
前章で、図の❷に居場所を複数持つことをおススメしました。
さらにその複数の居場所が重ならないようにすることもお伝えしました。しかし、現実にはついつい同じノリの別の居場所を探しがちです。自分はたった1つのキャラクターで構成されていると考えてしまいますが、それは錯覚です。
ほとんどの親は自分の子供と接しているときと、大人同士のコミュニティでのキャラクターを使い分けているはずです。たとえば、職場の人と家族ぐるみでバーベキューをした際に、普段はお調子者の同僚が真摯に子供と向き合っている姿など意外な一面を見ることもあります。
人は置かれた人間関係によって、キャラクターを使い分けて生きていくのが普通です。そして、そのキャラクターは、新たな人との出会いによって成長したときに誕生します。
このように新たなキャラクターを見つけた場合、共通の居場所の『お題』に対する役割が変わってきます。たとえば、新入社員の仕事上の失敗に対して、「直属の上司」というキャラクターで接する場合と、「他部署の先輩」として接する場合では、言動だけでなく、ストレスの度合いもまったく違うはずです。
それにもかかわらず、新しいキャラクターを得る前の「過去に居心地のよかった居場所」にこだわり続けると、自分が成長する可能性は期待できなくなります。なぜなら、新たな自分を発見するチャンスを自ら失っているからです。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。