2005年、なぜ中国・大連のコールセンターを取材したのか
—— 前回、中川さんと木下さんが「TVブロス」の片桐仁(ラーメンズ)さんの連載で、一緒に中国・大連のコールセンターに取材に行くことになったというお話を伺いました。なんでまた、大連まで行ったんですか?
中川 いくつか理由があるんです。まず、ちょうどそのとき「ブロス」で木下が担当していたのが、「そろそろ仲良くしようぜ! 中国」という特集だったんです。2005年当時は、小泉総理の靖国参拝がきっかけで、ものすごく中国の反日意識が高まっていた頃で。その前の年に中国で開催されたサッカーのアジアカップのときに、中国側からブーイングやゴミが投げつけられたりと、本当にひどくて。
木下 そんなときだったからこそ、「もっと仲良くしようぜ!」っていう想いを込めて作った特集だったんです。
中川 あと、もうひとつの理由としては、オレが当時編集以外にフリーで広報関係の仕事もPR会社の下請けとして結構受けていて、その時もヒューレット・パッカード(以下、HP)がクライアントでした。その時、中国にある同社のコールセンターを取材してくれるメディアを探していたんですよね。
当時、HPが中国の大連にトラブル対応用のコールセンターを作ったんですけど、そこで日本人オペレーターを採用したかったらしくて。そして「そこに行けば中国語も喋れるようになるし、日本よりも物価が安いから生活水準も上がるし、いいことあるよ!」というPRをしたかったんですよね。採用したい層はブロスの読者層とかぶると思ったんです
木下 でも、あのコールセンターの仕事って、案外いいですよね。
中川 そうそう。中国語とITスキルが身につくからね。ただ、記事は提灯記事じゃなくて「ブロス」のテイストには合わせなきゃいけないから、先方には、「一応、紹介はしますけど、後は好き放題やらせてくれ」っていう確約を取り付けてたんです。だから、広告費は一切もらってない。交通費と宿泊費は出してもらったけど。
大連旅行の打ち上げで、中国人との大酒飲み対決が勃発!
木下 あの取材は奇跡の連続でしたよね。本当に中川さんがひどくて……(笑)。
中川 (苦笑)。
木下 大連でひと通りコールセンターの取材を終えた後、片桐さんと僕、中川さん、そして、HPの人たちと一緒に打ち上げをやったんです。先方に「大連の名物を食べさせてやる」と言われて連れて行かれたお店で出たのが、蚕のサナギを素揚げしたやつで……。
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