【前回の流れをおさらい】
景行天皇、熊襲(くまそ)を討ち、九州を巡幸②
十一日、天皇は海路から葦北(あしきた)※1の小島(こしま)に泊まって、食事をしました。そのとき、山部阿弭古(やまべのあびこ)※2の祖・オヒダリ(小左)を召して冷たい水を献上するように言いました。しかし、島の中には水がありませんでした。
オヒダリは途方に暮れて天を仰ぎ天神地祇(あまつかみくにつかみ)に祈ると、たちまち、清水が崖のほとりから湧き出しました。それを汲んで差し上げました。それでその島を名付けて水島(みずしま)※3というのです。その泉は今も水島の崖にあります。
五月一日、葦北(あしきた)から船出して、火国(ひのくに)に到着しました。ここで日が暮れました。闇夜で岸に着けることができませんでした。
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