※「フェル先生のさわやか人生相談」は、noteの定期購読マガジン「週刊フェル」にお引越ししました。詳細は記事の最後をお読みください。
「自分が危ないと思ったら止める」と言うけれど……。
私は58歳、子供は独立し、妻と二人暮らしです。すぐ近くに実家があり、父は90歳、母は84歳、二人とも健康でよく出かけています。
健康で出かけるのはとても良い事なのですが、問題は、2人で車で出かけて行く事です。高齢者の運転に関し、連日の報道で事故が取り沙汰され、不安な日々を過ごしています。何度か運転を止めるように促していますが、「自分が危ないと思ったら止める」などと、こちらの立場からすると訳のわからない事を申しています。
先日もじっくり話をする機会があり、運転を止める判断を促しました。以前に比べますと、話を聞き否定をしなくなったことは格段の進歩ですが、当面止める気配は微塵も感じられません。
兄弟姉妹とも相談していますが意見は一致、自分たちの将来にも関わる話だと認識しており、何か良い方法がないものかと悩んでおります。
父の尊厳を守り、子も嫌われ者にならずに、運転を諦めさせる方法など、あるものでしょうか。ご教示いただければ幸いです。
(58歳、男性、会社役員、kydo)
A.今回は58歳の会社役員氏から、高齢者ドライバーに関するご相談です。やれ浮気だ不倫だ中出しだ、とエロネタばかりが並ぶ当欄ですが(一度バックナンバー一覧をご覧になってみてください。我ながら“おぞましい”としか言いようのないタイトルが並んでいます)、たまにはこうした時代を反映するようなシリアスなご質問を頂いたりもするのです。
ところがこうした堅い内容の質問は、いまひとつ人気がございませんで、PVも伸びず、早々にランキング圏外に弾き出されてしまうのが現実です。「他人の不幸は蜜の味」、と申しますが、みなさま本当に覗き見趣味のゲスでいらっしゃいます。
この原稿はフランクフルト空港のラウンジで書いているのですが、当地にも同じようなニュアンスの言葉がありまして、ドイツ語圏ではこうしたメシウマをシャーデンフロイデ(Schadenfreude)と表現します。不幸が生じた人を「自分より劣った者」と見なし、その下方比較から得る歪な精神的充足感を表しています。洋の東西を問わず、人間の「他人の不幸を喜ぶ気持ち」は一緒なようです。
今回は一問一答形式でお答えしましょう。
私は58歳、子供は独立し、妻と二人暮らしです。すぐ近くに実家があり、父は90歳、母は84歳、二人とも健康でよく出かけています。
ご両親がご健在なのはなによりですね。しかもスープの冷めない距離に暮らしていらっしゃる。適度な距離感があり、しかもイザというときには駆け付けることも出来る。高齢のご両親にとっては理想的な環境ですね。
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