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「これをやろうかなって思うんだ」
って話したら、
「え~、そんなの○○だよ?」
なんか否定された。
って経験、あなたにも、あるでしょうか。
わたしにもあります。いっぱいあります。いい気持ちはしないですよね。けどなんか内心、「はい、どうもありがと」って思うことにしてます。
他人からの否定って、自分の気持ちを試すのにちょうどよく使えるんですよ。自分がなんとなく「やろうかな~」って思い始めたことが、本当にやりたいことなのか、なんとなく思ってる程度のことなのか、他人に否定されてみるとよくわかるので。
「留学してみようと思うんだよね!」
「ええ~? その歳から~?」
「ベッカムヘアにしてみようと思うんだよね!」
「ええ~? 今~?」
こうやって否定されてみて、腹が立つのは、本当にやりたいって証拠なんですよ。その腹立ちを腹で燃やして、それでもやってやるぜってエネルギーに変えればいい。周囲に留学を反対されたことはいつか自分の留学記のプロローグに使ってやるぜって思えばいいし、確かにベッカムヘアの流行は終わってるしサッカー選手としてのベッカムも引退してるけどそれでもベッカムという人間を俺は推し続けるぜ!って刈って撮ってインスタにアップしてデヴィッド・ベッカム公式インスタアカウントに@つけてもいい。否定された怒りのエネルギーを炎に変えて、やってやればいいんですよ。決めていることならね。
だけど、こういう否定を、(1)自分だけではなかなか決断をさせてもらえない未成年期に(2)保護者から浴び続けることって、けっこう地味~にキツかったりするでしょ。たまりにたまって「やってやるぜ!」の爆発力につなげられることも、それはそれであるんだけど……
「こうやって言ってあげるのはお母さんがあなたを思ってのことなのよ?」
「そうなのかあ……(もやもやほわわん)」
「お母さんがあなたを生んだの。お母さんはなんでも知ってるんだからね?」
「そうなのかあ……(もやもやほわわん)」
燃え上がりかけた何かを、あたたかぁ~く なまぬるぅ~く もやもやほわわぁんって包み込まれ、そっとやさしく常温に戻されてしまう。
結果、全知全能の母に抱かれてぼくは何もできない。
ママぁ~。
……そんな状況、やさしくホラーでしょ。
周囲に相談してもやっぱり同じこと繰り返されちゃったりするしね。「お母さんは心配してくれてるんだよ~」「そんなに自分のことを考えてくれるのって、やっぱり母親だからだよ?」「母の愛だね~」とかなんとか言われてね。
包み込んでくるやさしい腕の中で動けないまま考える。
「もしかしてこれ、お母さんはわたしを抱きしめてるんじゃなくて、わたしに……いや、“わたしの子”という概念にしがみついているのでは?」
ということで今回は、「やさし~く包み込んでくるママと、その腕の外に出たくなった子の向き合い方」の話です。さっそくご投稿をご紹介します。
牧村さん、こんにちは。
まずは、私は高校上がりの新米大学生です。
高校時代、何度かショートヘアにしようと模索していたのですが、突然イメチェンするのは恥ずかしくて断念していました。
そこで、ついに大学生になり、「あ、ショートにできるじゃん」と思い、似合うかどうか、母に意見を聞いて見ました。
そしたら母に、「男の子みたいな見た目になっちゃうよ。」って言われました。
ん??? それの何がダメなんでしょうか?(笑)
思えば、過去に、私が警察官を志願したいと母に相談したところ、「レズビアンがいっぱいいるよ」と言われたのを思い出しました。
母はLGBTに理解があると言いながら、しれっと謎理論を言ったりのでよくわからないです。 さらに思い返せば、昔、国際結婚やデキ婚の批判をしていたのですが、彼女自身も外国人男性と授かり婚をして、兄と私を産みました。 母も大学生の頃はショートだったようなのですが、経験から言ってるものなのでしょうか? 言うことが謎すぎます。 ご意見がもらえると嬉しいです。
はい、ご投稿ありがとうございます。じゃあ、まずはね、腹の底から、この一言を申し上げたいと思います。いきますよ。さん、はい、
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