第2回】どうして「天才」なのか?

岩崎夏海さんと枡野浩一さんの「天才」対談。「嫌なヤツ」になりたくないから「自分は天才だ」と公言しているという岩崎さん。そんな岩崎さんが、自分は天才だと自覚したのは4歳のころだと言います。果たしてそのきっかけとは? 歌人・作家として活躍される枡野さんが突如として「芸人」宣言をした理由にも注目です。(構成・丸山桜奈)

天才を自覚したのはいつ?

枡野浩一(以下、枡野) 岩崎さんが初めて「自分は天才だ」と自覚したのはいつだったんですか?

岩崎夏海(以下、岩崎) 6歳か7歳のときですね。印象派のアンリ・ルソーという画家がいるんですけど、その絵を見て、「あ、この人が言おうとしていることはわかるな」っていう感覚を抱いたんですね。それで、家族に「この人はこういうことを描いているんだ」ということを説明したら、全然わかってもらえてなくて。そのときに、ルソーのすごさを理解できる自分は天才なんじゃないかと思ったわけです。

加藤貞顕(以下、加藤) そんなに小さい時に。

岩崎 ルソーの存在を教えてくれたのは母親で、彼女はすばらしい芸術を見つけてくるセンスはたしかにある。でも、自分がいいと思う芸術を、概念的には理解できていなかった。感覚的には「ルソーはすばらしい」ってわかってるんだけど、「なぜ、すばらしいか」がわからないし、説明ができなかった。

加藤 その説明は難しいですよね。普通の人にはできないですよ。アンリ・ルソーはどういう絵を描いているんですか?

岩崎 たとえば、ライオンが真横から描かれている絵画。一見下手に見えるんだけど、そうじゃなくて、わざとやってるんですよね。

加藤 「真横から描く」というのは、絵に慣れている人たちからすると、カッコいいものではないということですか。

岩崎 そうなんです、絵が下手な人の描き方。でも、絵が下手な人がそう描くってことは、「そこに人間の本性や本質的な何かがあるんじゃないか」ということをルソーは感じて、あえてやっている。とても高度な取り組みなんですよね。

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天才であるということ—岩崎夏海×枡野浩一対談

岩崎夏海 /枡野浩一

小説『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』で270万部を売り上げ、社会現象を巻き起こした岩崎夏海さんと、歌人・芸人・小説家としてマルチな才能を惜しみなく発揮し続ける枡野浩一さん。「ぼくのことをすごい...もっと読む

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コメント

toki_kanashii |天才であるということ——岩崎夏海×枡野浩一対談|枡野浩一 /岩崎夏海 |cakes(ケイクス) 面白い、僕自身 4年以上前 replyretweetfavorite

youme2525 幼稚園の頃から天才を自覚していた岩崎氏 5年弱前 replyretweetfavorite

sakucherryna 取材構成した記事がUPされました。 天才は自己肯定感が強いのではなく、自己否定感が強いのだというお話は、目から鱗でした。 5年弱前 replyretweetfavorite