「今日、外回り、すごくがんばったんですよ」──
「忙しいけど、君のために、がんばって時間取ったんだ」──
「家事も子育ても、がんばって手伝ってるじゃないか」──
「がんばってるアピール」がすごい人、いますよね。
がんばってる、努力してる、気合い入れてる……。それは確かにすばらしいことですが、残念ながら、成果がともなっていないと、こっちとしては白けてしまいます。
そこでつい「がんばればいいってもんじゃない!」となじってしまうのですが、するとこの人たちは、とたんにへそを曲げてしまう。「もっとがんばりを認めてほしい」「日ごろのがんばりを見てよ!」と。
もちろん「よくがんばってるね」とほめればいいと頭ではわかっています。それでも、大したことでもないのにほめるのは、納得がいかない。「もっと違うやり方があるだろう」と思ってしまう。でも言えない。モヤモヤする……。
相手も拗ねない、自分もイライラしない、うまい言い返し方はないのでしょうか?
◆「大変な自分」に酔っている人たち
がんばったアピールをする人は、自分に酔っている人です。
「がんばる」とは、麻薬のようなものです。
人は無気力に生きていると、精神的に病んでしまいます。逆に、なにかしら動き回っていると、それだけで気が紛れる。
もちろん、結果的に人の役に立つこともあるでしょう。ですが、基本的に、この人たちは、自分のためにがんばっているのです。
独りよがりで、自己満足でがんばっている。それが透けて見えるからこそ、こっちとしてはムカつくわけです。
なにしろ、小さいころから「がんばることはすばらしい」と教わってきているので、がんばったあとのことには無関心。「結果が出ないのは運が悪いだけ」と、信じています。ですからこういう人の耳には、「がんばる」以外の言葉は響きません。
「もっと結果を出してほしい」
「もっとほめてよ。だってがんばってるんだよ!?」
「そのやり方は間違ってる、こういう風にやってほしい」
「日ごろのがんばりを見てないでしょう?」
と、話は永遠にかみあいません。お互いのストレスは無限に続きます。
では、いったい、どのように言い返せば、心を入れ替えて、もっと上手にやってくれるのでしょうか?
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