HSC子育てアドバイス(14)困ったらどこに相談したらいいか

「すぐにびっくりする」「うるさい場所を嫌がる」…。5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。HSCの子を育てる親向けに、「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。『子どもの敏感さに困ったら読む本』をcakesで特別連載!(毎週木曜更新)

診断名を求めるのでなく、相談できる相手を見つけましょう

 子どもの敏感さに対応できないと思ったとき、どこに相談するのがいいのでしょうか。
 通常は、性格的に「恥ずかしがり屋」「内向的」「怖がり」「引っ込み思案」「消極的」 「臆病」などと考えて、様子を見ていることが多いと思います。発達障がい的な特徴があ れば、障がいの特徴なのかと考えると思いますが、敏感さの原因が生まれもった神経の過 敏性であり、それを言い表す言葉があるなどとは思いもよらないと思います。
 性格というには、あまりにも程度がはなはだしい場合には、やはり、身近な相談場所を 通して子どもの専門機関や病院に紹介されると思います。
 HSPの概念を知るまで、私は2000年に翻訳出版された『精神保健と発達障害の診 断基準 0歳から3歳まで』(Zero to Three 著 本城秀次、奥野光訳 ミネルヴァ書房) に記載された、アメリカの非営利団体が提案した診断基準の中にある統とう制せい障害と理解していました。その中に過敏反応(怖がりで用心深い)というタイプ分類があり、「過度の用心深さ、抑制、恐怖感がある。乳幼児期早期の探索行動や自己主張の制限、日課の変化を 嫌う、新奇場面での怖がり、しがみつきの傾向で明らかになる」と説明されています。
 そこには特徴的な感覚運動パターンや養育パターンが記述されており、関わり方の参考 にしていました。これは、すでに多く使われている発達障害の診断基準とは異なり、神経 発達的な視点を採用しており、関わりとコミュニケーションに問題をかかえた子どもの過 敏さの理解にはとても有用です。でも発達障がいが疑われない場合はどう考えればいいの でしょう。
 現在のところ、子どもの敏感さを統制障害やHSPなどの神経発達的な視点でとらえて くれる発達の専門家や医師はほとんどいないため、従来から医学で使われている発達障が いや精神障がいの視点で診断されていると思われます。
 トラウマ反応が人間の神経発達や人間の自然治癒力におよぼす影響が次第に明らかにな りつつあり、生まれる前の胎児期からすでに大きな影響を発達にもたらしている(恐怖麻 痺反射)ことを考えると、遺伝的な素因と胎児期からの環境要因と認知的な発達過程など を総合的に視野に入れて子どもの敏感さをとらえなおしていく必要があります。
 困って行き詰まっているお母さんの中には、とにかく何か診断名を欲しがる人がいます。何なのかわからないよりも、はっきり診断名がついたほうが気持ちが落ち着くのかもしれ ません。しかし、発達上のさまざまな問題は、簡単には診断名はつきません。発達検査を したらすぐに診断名がつくと思っている方もいますが、検査でわかるのはどういう特性が あるかということです。たとえ診断名をつけられても、それが正しいとも言いきれません。

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この連載について

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子どもの敏感さに困ったら

長沼 睦雄

「すぐにびっくりする」「うるさい場所を嫌がる」…。5人に1人といわれる敏感気質(HSP/HSC)のさまざまな特徴や傾向を解説。HSCを育てる親に向けて、「敏感である」を才能として活かす方法を紹介します。『子どもの敏感さに困ったら読む本...もっと読む

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yunoyuno55 #スマートニュース 約1ヶ月前 replyretweetfavorite