半年前に戻って就活をやり直したい!
うちにはつい最近まで就活生がおりました。
グ~タラ学生だったのですが、ある日、就活生レンジャーにシャキーンと変身しまして、あっちこっちの説明会に参加しては、企業のロゴ入りバインダーやクリアファイルのお土産を持ち帰るようになりました(ご縁がなかった会社の品々は、わたしが使わせていただいております)。
激戦につぐ激戦で、矢は祈られ、駒は尽き……。結局、自由エントリーで、推薦枠のある企業に決まりました。
「こんなことなら、最初から推薦使えばよかった……」
子どもはだいぶ凹んでましたが、親は推薦枠の合理性に感心しました。おのれを目いっぱい底上げして就活したところで、学科の平均値がやっととは! なんと巧みに設計されているのでしょうか。
うちの元就活生は、自力で届いたといいますか、上から順当に落ちていったといいますか、とにかく能力適性通りに——、希望していた企業に決まりました。
本人が落ちついたころに、「半年前に戻って、就活をやり直したい?」とたずねましたところ、目からビームがでそうな勢いでにらまれました。
「半年巻き戻したぐらいで、なんとかなるわけない!!」
同感です。
工学系の場合、半年ぐらい巻き戻してもどうにもなりません。
院に入ったとき、いや、大学の学科を決める数学テストの点数、その前に受験勉強からの延々と積み重ねてきたことの結果が、就活です。
それゆえ「推薦枠」なんてシステムが成立するのです。面接時の質問も定番どおりです。工学系に、文系学生レベルの臨機応変な返答ができるとは、面接官はこれっぽっちも期待してないんですね。
本人は「半年巻き戻したぐらいじゃ無理」と認めたことで、内定先に納得できたようです。無事に内定ブルーが消えまして、就活は終了しました。
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