第7章ダンディズム|2ダンディとは何か?

マイケル・ジャクソンが「ヒップ/クール」の象徴だったとするならば、ボードレールは「ダンディズム」の体現者だったーー。平野啓一郎が、小説を除いて、ここ十年間で最も書きたかった『「カッコいい」とは何か』。7月16日発売の新書を全編連載。 「カッコいい」を考えることは、「いかに生きるべきか」を考えることだ。(平日毎日更新)

2ダンディとは何か?


《モダニズムの始まりと終わり》

 二〇一八─一九年、パリのグラン・パレで、マイケル・ジャクソンの大回顧展が開催されたが、展示の中に、《モダニズムの始まりと終わり》という風変わりな写真作品があった。

 詩人のシャルル・ボードレールと歌手のマイケル・ジャクソンという二人のポートレートを並べたもので、作者のロレーヌ・オグダディによると、「シャルルは最初のモダニストであるのと同時に最後のロマン主義者であり、マイケルは恐らく最後のモダニストであるのと同時に、やはり恐らく最初のポスト・モダニストなのである」とのことで、その見方の妥当性はともかく、「カッコいい」を考える上では、大西洋を跨ぐヨーロッパとアメリカ、文学と音楽、一九世紀と二〇世紀との関係を再認識させられる、印象的な作品だった。

《モダニズムの始まりと終わり》

 マイケル・ジャクソンが「ヒップ/クール」の象徴だったとするならば、ボードレールは「ダンディズム」の体現者だった。

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カッコいい」とは何か

平野啓一郎

『マチネの終わりに』『ある男』を発表してきた平野啓一郎が、小説を除いて、ここ十年間で最も書きたかった『「カッコいい」とは何か』。7月16日発売の新書を全編連載。 「カッコいい」を考えることは「いかに生きるべきか」を考えることだ。(平日...もっと読む

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