アニメにも様々なジャンルがある。ファンタジー系、バトル系、学園系、魔法少女系……挙げればきりがない。一言に「アニメが好き」と言っても、多くのアニメ好きは、その人の中で好きなジャンル、苦手なジャンルが存在すると思う。当然、僕にもそれがある。苦手なジャンルを挙げると、僕はロボット系のアニメが苦手だ。
「アニメ好き」のお笑い芸人達に好きな作品を聞いた時、1番多い答えが『ワンピース』だろう。その次ぐらいに多いのが、おそらく『機動戦士ガンダム』シリーズだと思う。その『機動戦士ガンダム』に代表されるロボット系のアニメが僕は苦手なのだ。しかし厳密に言えば、全く苦手な訳ではない。『機動戦士ガンダム』もファーストガンダムくらいは見ているし、ストーリーは好きだ。だが僕は、巨大ロボット自体に“カッコいい!”とか“見ているだけでワクワクする!”といった一種のフェティシズムのようなものを感じたことがない。
皆さんの中にも、「男はロボット系のアニメが好きだ」という漠然としたイメージを持っている人が多いと思う。それは多分、幼少期に『機動戦士ガンダム』シリーズや、勇者シリーズ(『勇者エクスカイザー』からはじまり『勇者王ガオガイガー』まで)を、日本の義務教育かのように見ていた世代の男子のイメージだ。しかし、ゆとり世代の僕らは、勇者シリーズのオンエアがギリギリ終わって、その義務教育はなくなり、それまであった“ロボ”という授業も廃止された。それに加え、僕の父親は漫画雑誌の少年ジャンプ、少年マガジン、少年チャンピオン、ヤングジャンプ、ヤングチャンピオン(何故かサンデーはない)を、毎週買って家に置いておくという英才教育を僕にしていたのだ。当時、それらの雑誌で連載している漫画には、ロボット系は皆無。生身の体で戦うカッコ良さが多く描かれていた。なので、巨大ロボットに乗れるよりは、かめはめ波や霊丸が打てるほうに憧れるし、逆刃刀で剣術を使うほうがカッコ良いし、左手だけ鬼になってほしい。という趣向にいつの間にかなっていた。
一方、好きなジャンルは幅広い。バトル系、学園系から、男性アイドル系やBL系アニメに至るまで、好きなジャンルを挙げればきりがない。ロボット系以外、と言ってしまうとざっくりしているが、本当にそうかもしれない。そんな中、男の僕が昔から見ていたのが、少女漫画系のアニメだ。
僕には4つ下の妹がいる。その妹が、毎月少女漫画雑誌「りぼん」を買っていた。毎週、週末になると、父親が大量に買ってくる漫画雑誌を読みつくしてしまい、“漫画中毒者”となっていた僕は禁断症状により、家中を暴れ回り、棚をひっくり返し、白目を剥いて、ダラダラとよだれを垂らしながら読む漫画を探していた。そして妹の部屋から、りぼんや少女漫画の単行本を発見するのである。幻覚症状と手の震えが止まらない僕は、少女漫画の『神風怪盗ジャンヌ』や『ケロケロちゃいむ』『愛してるぜベイベ★★』などを読み漁り、精神を安定させていたのだ。
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