失敗に寛容な社会が生きやすい理由ーなんでもお笑いにしてしまう人々

多様性と寛容の国、マレーシア。突然、断水が起きてもそれを笑いに変えてしまったりと、他人の失敗に寛容な人が多いようです。そんな社会にいると「楽で生きやすい」のだと、マレーシアに長期滞在中の野本響子さんは語ります。

先日、マレーシアの人々との団体旅行をしていたら、ホテルで突然断水が起き、シャワーもトイレも使えなくなる事態になりました。水道局で発生した汚水が原因だったようです。


断水をお笑いのネタにするのはアリ?

こういうときのマレーシア人とのグループチャットでよく見られるのは、「断水をネタにした画像やビデオを作って送りあう」ってことです。夜中じゅう、お笑い画像が次から次に送られてきては「 LOL」(laughing out loudの略で爆笑の意味)などと大爆笑していました。

昨年も大規模な断水があって、友人の家など7日も水が出ない事態になったのですが、ジム仲間のグループチャットにやっぱり面白映像が流れてきました。あまりに面白かったのでツイッターで紹介したらバズったこともあります。

マレーシアの人たちは、どんな深刻な事態でも笑いにしてしまうんだな、と最初は感心していたのですが、最近では「またか」と慣れてしまいました。

もちろん、断水すると困ります。友人たちの多くは水が出ている地域のホテルに避難したり、親戚の家へ水を分けてもらいに行ったりしていましたが、その合間に面白画像を送ってネタにしているわけです。

マレーシアでは銀行のシステムトラブルでお金が引き出せないこともありますし、高速道路のシステムが故障して料金所が大混雑してたこともありました。しかし、怒ったりする人は少数なのです。

何か事件が起きたときに、無駄に怒られたり紛糾しない。もちろん人種差別など、紛糾することもあるのですが、失敗に対してはおおむね寛容な人が多いです。

そして私のようなダメな人は安心するのです。


真面目になりつつあるマレーシア
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怒らない力—マレーシアで教わったこと

野本響子

編集者・ライターの野本響子さんがマレーシアで暮らし始めて感じたのは、日本にくらべて驚くほど寛容なマレーシアの社会。「迷惑は掛け合うのが当たり前」「怒る人ほど損をする」など、日本人の常識からしたら驚くことばかり。 この連載では、そんなマ...もっと読む

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satsuki_ka |怒らない力ーーマレーシアで教わったこと|野本響子|cakes(ケイクス) 約1ヶ月前 replyretweetfavorite