なぜセンター街に「洋服の青山」があるのか?
いらっしゃいませ。
bar bossaへようこそ。
渋谷が職場なので、毎日のように「渋谷にあのお店ができた」「あのお店が潰れた」っていうのを観察しているのですが、ある時、センター街に「洋服の青山」ができたんですね。センター街ってたまに物件が出ていて、もちろん僕はセンター街でお店を構える気はないのですが、「ああいう物件って家賃いくらくらいなんだろ」って感じで、不動産屋さんの張り紙をチェックすることがあるんです。まあ高いです。それで「洋服の青山」ってそんなに売り上げがあるんだと思って、広告の仕事をしている友人に言ってみたら、こんなことを教えてくれました。
「林さん、ああいうお店は店舗の売り上げではなくて、広告として考えているんです。渋谷のセンター街に毎日のように地方から修学旅行生や若い子が来ますよね。それで洋服の青山を見て、『あ、このお店、うちの田舎にもある』って思うんです。で、彼らが就職の時にスーツを買うときに、他のお店ではなく、渋谷のセンター街にもあった洋服の青山を選ぶんです。 あるいは、外国から観光旅行者がいっぱい来ますよね。センター街でたくさん写真を撮ってSNSでアップしますよね。写真には『洋服の青山』って看板が写り込んでます。それが中国系の人なら漢字がわかるから、覚えてもらえるんです。センター街ってしょっちゅうテレビでも写り込みますよね。あるだけで日本中に宣伝してもらえるんです。センター街の家賃、全然高くないですよ」
なるほど。もちろん「洋服の青山」のセンター街のお店がすごくいい可能性もありますが、そういう本来のお店の売り上げではなく、そこから波及する効果を狙うっていうの、最近多いですよね。
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