井ノ原快彦 暗いと怒られた少年が、日本の朝を照らすアイドルになるまで

8/1に発売した書籍『ジャニーズは努力が9割』の書き下ろし原稿をcakesにて特別掲載! 8年間NHKの『あさイチ』でキャスターを務めた、”イノッチ”こと井ノ原快彦さん。番組共演者への配慮が度々話題になる程の、人の心に対する想像力は、どのように磨かれてきたのでしょうか。〝誰でもいい〟から〝誰も代わりがきかない〟存在になっていった、ジャニーズタレントの努力に迫ります。

「歌も芝居も、上には上がいたし、一番になるとかじゃなくて、
楽しくやることが僕の個性なんじゃないかって気づいた」
(井ノ原快彦, 1976-)

徹底的な〝嫌われない覚悟〟

「そんな暗かったら誰も話したくないよ」

入所した頃に、そうジャニー喜多川に怒られたという井ノ原快彦。
8年間務めたNHK『あさイチ』で見せた朝の顔としての笑顔のイメージからは想像もつきません。そう考えると、〝明るい人〟もまた〝生まれるもの〟ではなく、〝なるもの〟なのかもしれません。

現在の井ノ原の笑顔の根底にあるのが、人への敏感なアンテナです。自らは「潔癖症」、有働由美子は「人の痛みを感じるセンサーみたいなものが敏感」と評するそれは、ある種徹底的なまでの〝嫌われない覚悟〟と言い換えてもいいかもしれません。
そんな井ノ原の〝嫌われない覚悟〟を生み出す姿勢は、大きく4つの要素に分けられます。

①自分で自分をコントロール
②知識よりも気持ちを重視
③努力は〝相手のため〟にする
④相手を絶対に否定しない

ひとつひとつ見ていきましょう。まずは①に紐づく井ノ原自身の話から。
そもそも井ノ原は、決して早く日の目を浴びたタイプではありません。
小学生の頃はアイドル雑誌を買ってきては、そこに掲載されていたファンレターの宛先や電話番号にひたすら電話をしたり、履歴書を送っていたという行動派。石原軍団にも憧れましたが、12歳で入所したのがジャニーズ事務所でした。

井ノ原のデビューはジャニーズの中では決して早くありません。1995年、19歳でのデビューの前には、すでに同学年の友人である松岡昌宏はデビューし、活躍していました。TOKIOやKinKi Kids、後輩のバックダンサーを務めることも多く、それが屈辱で、耐えられずにやめていく者も多かったといいます。

しかし井ノ原は、後輩のバックにつく自分たち年長のジュニアを「僕らはスペシャルゲストなんだ」「招かれて踊っているんだ」と勝手に物語を作り、妄想して乗り切っていたそうです。

そんな自分で自分を鼓舞する姿勢は、デビューしても変わりません。例えば、コンサートで1日2回公演があって、体力的にしんどいときも、無理矢理「やったー! 2回公演!!」と床に膝をついて叫ぶ。「そしたらホントにそんな気になって。人間って、ちょっとしたことで気持ちが180度変わる」のだと語ります。

そんな井ノ原の切り替え術は、メンバーもうまく利用するほど。公演に慣れや飽きが出てきたことを感じると、リーダーの坂本昌行が井ノ原に合図。すると井ノ原は「よっしゃー、今日もコンサートができる!!!」と叫び、グループの士気を上げているようです。もちろん井ノ原本人も「実際に声に出してからステージに出ると、不思議なことに本当に頑張れる」のだといいます。

自分で自分の気持ちをコントロールする技術は、テンションを上げるためだけではなく、下げないためにも使われます。
自分の失敗を100年覚えている人なんていないわけだから。そう考えると失敗なんて屁でもない

これが、井ノ原の「①自分で自分をコントロール」する技術。どんな状況でも、自分で自分を鼓舞して、気持ちをコントロールできるのです。


「気持ちを考えないほうが罪」

この続きは有料会員登録をすると
読むことができます。
cakes会員の方はここからログイン

1週間無料のお試し購読する

cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。

人気の連載

おすすめ記事

この連載が書籍化されました! 本当の〝才能〟とは、努力できること。 SMAP、TOKIO、V6、KinKi Kids、嵐、滝沢、亀梨…… 「努力の16人」と、彼らを導いたジャニー喜多川の「育てる力」に迫ります!

この連載について

初回を読む
ジャニーズは努力が9割

霜田明寛

紅白歌合戦の司会を担当し続け、映画やドラマに出れば、ヒットを飛ばす、日本の芸能界を代表するジャニーズのタレントたち。しかし、彼らはもともと才能があって生まれてきた人たちではありません。「才能」と呼ばれるものは、天から授かるものではなく...もっと読む

この連載の人気記事

関連記事

関連キーワード

コメント

cc20c_9lives https://t.co/6Bq7YkFmpo 約1年前 replyretweetfavorite

neneinov6 イノッチが普通のアイドルではなく、人間「井ノ原快彦」として尊敬できる魅力が溢れている記事でした。 朝日新聞の記事と照らし合わせて読むと、イノッチの人間としての魅力がますますわかります。 もっと多くの人に知って欲しい。 https://t.co/CZZTFZa78b 約1年前 replyretweetfavorite

fernandesyuko 朝イチの時から好きなイノッチ。流石のコミュ力はこんなところからなのね。特に④相手を絶対に否定しない は、自由で柔らかい頭と心でいたいからすごく心がけたいと思う。 https://t.co/yB7pmubAdi 約1年前 replyretweetfavorite

m_a_g_a_o 井ノ原さんの絵は無いんかいw 約1年前 replyretweetfavorite