<収集癖>
レアな切手も「1億円」あれば手に入る。こんなものに意味はないのだ。
小学校6年生から中学の始めぐらいまで、僕は趣味で切手収集をしていた。
雑誌の通販に申しこんだり、古銭商に行ったりして、古切手を買い集めていた。『月に雁』『見返り美人』など、有名なプレミアム切手にも憧れがあった。
もちろん、子どもの小遣いの範囲内なので、たかが知れている。『月に雁』など買えるわけない。でも、たいした金額ではないが、「欲しいものを買って自分のものにする」喜びは充分に得られた。
切手を集めていると、自然と知識もついてくる。
昭和以前の切手や発行枚数が少ない限定版など、手に入れづらい切手がたくさん存在することを知った。オークションイベントや交換会の情報も得られるようになった。
高価で貴重な切手が、たくさんあるんだな……と思ったとき、ふと、気づいた。
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