まずわれわれ大学が動き 産学連携で“世界を出し抜く”

【インタビュー】
ノーベル賞学者かく語りき⑨
天野 浩(2014年 ノーベル物理学賞受賞)

●名古屋大学教授、名古屋大学未来材料・システム研究所 未来エレクトロニクス集積研究センター長
あまの・ひろし/1983年名古屋大学工学部卒業。

──日本の研究力の低下についてどう見ていますか。

 日本の研究開発費で一番多いのは企業ですが、企業の論文が減っているのは確かです。知的財産戦略であえて論文を出さなくなっているのかもしれませんが、株主が強くてもうけを出さなくてはいけないので、昔のようにいろいろな研究に投資できなくなっていることもあるでしょう。

──企業が基礎研究をできなくなってきているということですか。

 そうですね。私は、基礎研究とか応用研究の定義っていまだに分からないのですが、将来何の役にも立たない研究なら企業で続けるのは難しいけれど、ある程度出口が見える基礎的な研究は大事です。

 最近は、なかなか10年とか30年の長期で研究をやれる企業は多くないので、その意味でアカデミアの役割は高まっていると思います。

 だから、そうした研究は大学と一緒にやりましょうということで、企業と大学が一つ屋根の下で一緒に使えるクリーンルームと研究棟を造ろうと考えました。まずはハコを造って、企業に参加してもらう形です。まだまだ産学連携でやれることはたくさんあるので、企業にはもっともっと日本の大学を信頼していただきたいと思います。

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