クリスマスの最終電車で目撃した「事件」
いらっしゃいませ。
今日は女性の気持ちのお話です。
昨年の12月25日のことでした。
僕はバーの営業を早々と終えて、井の頭線の最終電車に乗って帰宅中でした。電車は最終なのにかなりすいていて、僕は座席に座ってぼんやりしていました。すると目の前に立っている男性が突然、隣に立っている女性に話しかけました。
男「あ、なんか目があっちゃいましたね」
女「あ、ええ(笑)」
男性はジーンズに品の良いダッフルコートで、手にはヘッセの岩波文庫を持っています。女性はショートカットでちょっと不思議な形の帽子が印象的で、黒目がくりくりしててかなり可愛い。
僕は「え?」とか思いながらこっそり注目していたら、
男「今日は今までお仕事だったんですか?」
女「ええ、ちょっと残業が長引いちゃって」
って感じで世間話が始まりだしています。
男「どちらまでですか?」
女「富士見ヶ丘までです。どちらまでですか?」
男「下北沢です」
なんて会話もしています。
下北沢は渋谷から4つ目の駅ですぐ近くです。富士見ヶ丘は渋谷から12個目の駅でずっと遠くになります。
そして電車が下北沢に到着しました。男性が爽やかな笑顔を見せながら「あの、握手しませんか?」と言って女性に手を差し出しました。女性もそれに答えて手を出しました。すると男性がその手を握るとぐっと引っ張って、なんと女性を下北沢の駅のホームへと連れ去ったんです。
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