ライフサイエンスは息が長い 基礎研究に種をまき、肥やしを

【インタビュー】
ノーベル賞学者かく語りき⑥
本庶 佑(2018年 ノーベル生理学・医学賞受賞)

※『週刊ダイヤモンド』2015年4月18日号のインタビュー記事を加筆修正

●京都大学高等研究院特別教授
ほんじょ・たすく/1942年、京都生まれ。大阪大学医学部教授、京都大学医学部教授などを歴任。Photo:JIJI

──「オプジーボ」はアカデミアのシーズが産業として実を結んだ好例です。日本の基礎研究はこれからも期待できますか。

 かなり瀬戸際だと思います。私たちの世代、次の世代までは何とかやってこられました。今の40代以下は大変つらい思いをしています。国の研究自体が経済産業省的になっている、文部科学省的ではない。エンジニアリングはまだ経産省的でもいいかもしれないが、ライフサイエンスは息が長い。意外性があり、当たったらでかい。種をたくさんまかなければなりません。

 大木になるかどうか、種をまくときに分かる人はいません。今の日本は5年プロジェクトが多いのと、基礎研究に種はまくが、肥やしをやっていません。10年くらいやったら少なくとも苗くらいにはなるので分かります。そういう見極めが必要です。

──企業もかつては基礎研究に近い研究を抱えていました。

 今はもう抱えられず、スリム化しました。だからこそアカデミアを育てないと国力が落ちます。第2、第3のPD-1分子を生むためにはどうするかを政策として考えないと。国も民間企業も自分たちで育てられないならどこで育てるのか。

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ダイヤモンド社; 週刊版
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