私が科学者を志した「入り口」

【インタビュー】
ノーベル賞学者かく語りき⑤
益川敏英(2008年 ノーベル物理学賞受賞)

●京都産業大学益川塾教授・塾頭、京都大学名誉教授、名古屋大学素粒子宇宙起源研究機構長
ますかわ・としひで/1940年生まれ。

 私のおやじは、戦前は家具職人、戦後は砂糖問屋をやっていましたが、本当は電気技師になりたかった。いろんな科学や技術に興味があり、雑学的な知識を蓄えていて、それをよく私に披露してくれました。

 銭湯への行き帰りの夕暮れの道。地球と太陽、月の位置関係を説明した後に「では、なぜ、月食というのは毎月、起こらないと思う?」と尋ねてくる。「分からない」と答えると、「それは月と地球の軌道面が5度ほどずれているからさ」と自慢げに解説してくれたものです。私にとっては、これが科学への入り口でした。

 おやじ仕込みの雑学のせいか、自分は「数学や理科が得意」という思いが強くなり、得意だと思うと、もっと深く、広く知りたくなる。近くの図書館で本を読みまくりました。

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週刊ダイヤモンド 2018年12/8号 [雑誌]

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ダイヤモンド社; 週刊版
2018-12-03

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日本人はもうノーベル賞を獲れない

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21世紀に入ってからというもの、米国に次ぐ数のノーベル賞受賞者を輩出している日本だが、実は科学技術立国の足元は驚くほど揺らいでいる。近年の科学技術政策の実態を知る関係者ほど、「このままではもうノーベル賞など期待できない」と嘆く。どうい...もっと読む

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