日本の研究現場はストレスだらけと、この准教授は語る(写真はイメージです)
私は国立大学と、大学が共同利用する研究機関の准教授を兼任している。最近、私の周りではストレスから持病を悪化させたり、海外研究から帰国したが、「こんな環境では研究に身が入らない。海外に戻りたい」と嘆く研究者が増えている。
理由は簡単だ。研究者としての本来の職務を全うできない状態が日常化しているからだ。ほとんどの研究者が、雑用7~8割、研究2~3割の状態にあり、研究時間も細切れで身が入らない。
旧国立大学の独立法人化以降、大学に渡される運営交付金は年々削減されてきた。その一方で「競争的資金」に頼る流れが定着した。しかし研究者にすれば競争的資金は、申請書や報告書をまとめたり、ヒアリングに対応するのに時間を取られ、雑用がどんどん増加するだけに終わっている。
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