短期的な成果を求める姿勢は 理科教育の伝統を損なう

【インタビュー】
梶取弘昌(武蔵高等学校中学校校長)

かじとり・ひろまさ/1952年東京都生まれ。武蔵高等学校中学校卒業後、77年東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。2011年4月より現職。


SSH(スーパーサイエンスハイスクール)では、国が指定した学校に予算を重点的に配分し、将来の優秀な理系人材の輩出に力を入れている。これは国の科学技術振興に貢献するものだろうか。


──貴校は旧制高校時代から日本屈指の理科教育の伝統で知られていますが、どのようなスタンスで子供たちを教育していますか。

 自分で考えて、答えを導き出す過程が大切です。本校では答えがない状況を楽しみ、時間をかけてこれを追究する姿勢を育てることを重視しています。入試もその延長線上にあり、入試問題は受験生との“対話”だと位置付けています。

──理系分野でノーベル賞のような功績を生むには、そのような環境が必要ということでしょうか。

 そうかもしれませんが、受賞を目指して理科教育を行っているわけではありません。本校では、五感を使って「分からないことを知りたい」という欲求を育てることがまず初めにあるべきだと考えています。

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ダイヤモンド社; 週刊版
2018-12-03

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日本人はもうノーベル賞を獲れない

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21世紀に入ってからというもの、米国に次ぐ数のノーベル賞受賞者を輩出している日本だが、実は科学技術立国の足元は驚くほど揺らいでいる。近年の科学技術政策の実態を知る関係者ほど、「このままではもうノーベル賞など期待できない」と嘆く。どうい...もっと読む

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