評価、厚遇、組織構築力 3条件なければ基礎研究は沈む

【インタビュー】
ノーベル賞学者かく語りき②
江崎玲於奈(1973年 ノーベル物理学賞受賞)

●茨城県科学技術振興財団理事長
えさき・れおな/1925年生まれ。ソニー、IBMワトソン研究所を経て筑波大学学長などを歴任。

──日本の基礎研究力の低下に危機感が高まっています。

 私が理事長を務める茨城県科学技術振興財団は、理学と生物学系の優れた研究を対象に「つくば賞」を贈呈していますが、29回目の2018年は該当受賞者を出せませんでした。茨城県内にはつくば市を中心に、2万人の研究者がおり、全国の公共研究機関の4分の1の研究者がいるといわれています。これだけのバックボーンがありながら受賞者を出せなかったことは残念で仕方がありません。

──研究者を育てるには、どのような環境が必要だと思われますか。

 三つあります。まず研究成果に対する厳しい評価体制で、優れた研究か凡庸な研究かを見極められる鑑識眼が要る。

 二つ目が、優れた成果を出した者への厚遇です。私はソニーから米IBMの研究所に移りましたが、ソニーも高給だと思っていたけれど、IBMは桁が違っていた。これは研究者のモチベーションを上げます。

 三つ目が、優れた研究者集団を戦略的につくる組織構築力。優れた人材をハンティングし、トップ10は絶対に失わず、ボトム10は出す競争マネジメントが必要です。日本では、いずれの条件も整っていません。

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ダイヤモンド社; 週刊版
2018-12-03

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日本人はもうノーベル賞を獲れない

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