瀬戸際の科学技術立国

12月10日、スウェーデンのストックホルムでノーベル賞授賞式が行われる。2018年のノーベル生理学・医学賞を受賞する本庶佑・京都大学高等研究院特別教授は、若手研究者支援のための基金を設立し、賞金の約5700万円(共同受賞者と分割した額)を寄付することを表明している。

 もっとも、基金自体の規模は数千万円にとどまるものではない。本庶氏の構想では「数百億~1000億円規模」とのこと。この金額が意味するものは、本庶氏の持つ「日本の基礎研究分野に対する危機感」にほかならない。

 というのも、本庶氏はかつて本誌のインタビュー(→「ライフサイエンスは息が長い 基礎研究に種をまき、肥やしを」)で、日本の基礎研究の状況について「かなり瀬戸際だと思います。私たちの世代、次の世代までは何とかやってこられました。今の40代以下は大変つらい思いをしています」と答えている。未来への種まきが不可欠というわけだ。

 近年、日本人のノーベル賞受賞が続いている。だが、それは1980~90年代までの研究環境による成果であって、その後の日本の科学技術政策を鑑みると、これから先はとても期待が持てない──。そう訴える研究者は多い。

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週刊ダイヤモンド 2018年12/8号 [雑誌]

ダイヤモンド社
ダイヤモンド社; 週刊版
2018-12-03

この連載について

日本人はもうノーベル賞を獲れない

週刊ダイヤモンド

21世紀に入ってからというもの、米国に次ぐ数のノーベル賞受賞者を輩出している日本だが、実は科学技術立国の足元は驚くほど揺らいでいる。近年の科学技術政策の実態を知る関係者ほど、「このままではもうノーベル賞など期待できない」と嘆く。どうい...もっと読む

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