意見がまとまらない!」バラバラのチームをまとめる3つの方法

コミュニケーションの「量」を積み重ねていくと、やがて第2ステージの「ストーミング」の状態へと変化します。「ストーミング」で大事にしたい、3つのアプローチを詳しく説明していきます。ポイントは、コミュニケーションを「量」から「質」へと変えることです。
●話題沸騰『宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話』特別連載。(毎週火・土)

アプローチ1
「フィードバック」で現状を伝える

さあ、第1ステージの「フォーミング」では周囲の様子をうかがっていたメンバーたちも「ストーミング」へ発達し、みんなが自由に自分の考えをチームに投げかけ始めました。
メンバーそれぞれの考えや意見はあちこちに飛び回り、ついには混乱して、もはや何の話をしていたかもわからなくなってしまいます。

こんなとき、リーダーのアプローチとして大切にしたいのが、「そもそもこの話をしていたよね」という、「フィードバック」です。
「フィードバック」と聞くと、自分の意見や感想、アドバイスを伝えることや、相手から伝えられたことを受けて提案をすること、と考える人もいると思いますが、僕は「フィードバック」をこのように捉えています。

起きている事実を、できるだけ客観的に伝えること。

フィードバックする際に、自分自身の解釈や主観的な感想を伝えようとする必要はありません。
もしどうしても主観的な意見を伝えたいときは、主語を「私」にして伝えるようにしましょう。
たとえば、「これって〇〇じゃない?」ではなく、「私は、〇〇だと思うんだよね」と伝える。
主語が「私」なら事実なので、これなら相手も「この人は〇〇だと思っているのですね」と、受け止めることができます。

チームの発達を促すうえで避けたいのは、自分自身の主観的な意見をあたかもチームの総意のように伝えてしまうことです。
「それについては、みんなも反対していると思います」
「こういうときは、一般的に〇〇するものじゃないですか?」
といった表現は事実も解釈も曖昧になり、コミュニケーションの「質」を下げてしまうことがあるので、注意が必要です。

事実を伝えることでチームが活性化するのは、「フォーミング」の段階にはなかった「何を言っても大丈夫」という心理的安全性があるからです。
「私は、この企画、実現するのは無理だと思うんだよね」という意見が出たとして、「フォーミング」では何も言えなくなっていたメンバーが、ここでは「まあ大変だけど、ちゃんとやればいけるでしょ!」「ちゃんとって、何をちゃんとするの?」と、言い合えるのが大きな違いでしょう。

アプローチ2
「対話」の時間を持つ

「対話」と「会話」は、どちらも「自分の考えを話す」と「相手の考えを聞く」ことで成り立つ行為ですが、その量とバランスが異なります。
図のように、「会話」は「話す量」が多く、反対に「対話」は「聞く量」が多くなります。

「会話」は、相手との関係性を育むためにやりとりする行為です。話す量が増えることにより、お互いの考えていることや意味のすれ違いを調節できるようになります。
そして「対話」は、「自然との対話」「自分との対話」と表現するように、はっきりとした具体的な答えが出ないことについて、自身の考えを内省したり、他者(人ではないこともあります)の考えを深く聞くことを通して、お互いの理解を深め合う行為です。

【図版】「会話」と「対話」の違い

「ストーミング」では、対話によって、お互いが求めることを話し合うことで、コミュニケーションの「質」が高まります。
コミュニケーションの質が高まると、人間関係の質が高まります。
人間関係の質が高まると、信頼関係が育まれます。
特に昨今の組織には圧倒的に対話の時間が足りていないと感じています。 お互いにすぐに答えを求め、間違いが許されない。業務以外のコミュニケーションの機会は「非効率」「生産性が低い」と捉えてしまう。
結果、相手の話を聞かないので理解が進まず、自分自身の理解を深めるための時間も生産性と効率化の名のもとに奪われ、いかに効率よく「発信」するかということばかりに集約されていきます。

だからこそ、「対話」をしましょう。
相手がどんなことを思っているのかを聞き、自分はどんな考えを持っているのかを伝えましょう。

すぐに結論や正しい答えを出そうとしなくていいし、そもそもロジカルに相手を論破する必要なんてありません。
1時間の会議の時間が確保できるなら、30分は会議をして残り30分はぜひ「対話」の時間を設けてください。対話の時間で起こる長い沈黙や怒りや哀しさといった感情の表現、それからリーダーの迷いを伝えることも、コミュニケーションの「質」を高めるための手段の1つです。

第1ステージでは不安要素となっていたこうした反応も、心理的安全性が生まれている「ストーミング」では、「この人が沈黙するときは、何かを考えているんだな」「これはNOという意思表示だな」と、配慮や推論、思いやりが生まれてきます。
これこそが、コミュニケーションの「質」へとつながっていくのです。

アプローチ3
「肯定形」で伝える

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宇宙兄弟 今いる仲間でうまくいく チームの話

長尾彰 /小山宙哉

『宇宙兄弟』のムッタやヒビト、チーム「ジョーカーズ」の成長ストーリーなどを分析し、自分の得意なスタイルで、今いる仲間をリードする方法を解説する「#宇宙兄弟チーム本」の特別連載。 (毎週土・火 公開予定)

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