リーダーのスタイル別 4つのアプローチ
「フォーミング」編
さて、ここで再び、4つのリーダーのスタイルが登場します。
(※自分のリーダーのスタイルを知りたい方はこちら)
以前に、「緊急度」「重要度」によってスタイルの違うリーダーの出番が変わると書きましたが、「チームの発達段階」でも、それぞれのスタイルの違いを活かすことで、チームの活性化を促すことができます。
特に「フォーミング」の段階では、メンバー同士がまだ遠慮していて、「何かやらなければと思うけれど、自分の役割がわからない!」「このチーム、誰がリードしてくれるの?」といった心理が働いている傾向があります。
自分の出番を知るだけでなく、「〇〇さん、あなたの出番です!」と、メンバーの強みを活かすためにも参考にしてみてください。
◆ファシリテーター型
人間関係のちょっとした変化も敏感にキャッチ!
メンバーをフォローし、ウォーミングアップに貢献
「フォーミング」のステージはまさに、ファシリテーター型の出番です。
チーム内のちょっとした違和感やメンバーの不安感情にも敏感に気づくため、自然と周囲をフォローする言葉をかけたり、また情報をわかりやすく共有するのも得意なので、「目的」「目標」「原則」をメンバーに丁寧に伝えることができます。
チーム内での発言が停滞しているときに、ファシリテーター型の人が「私はこうしたいな」と意見を言い始めると、ほかのメンバーが「じつは私も……」と、発言できるようになるなど、ウォーミングアップ係としての活躍が期待されます。
まさに『宇宙兄弟』の六太のような、「目立たないけど、この人がいるとなぜかうまくいく」ですね。
あまり難しく考えず、いつもどおりに振る舞うだけでも自然とチームのウォーミングアップは進みますが、話のとっかかりをつくる、メンバーが感じてる違和感に共感する、といった部分を意識していくと、より支援・促進につながります。
ビンスとの場合に限らず、相手を理解しようとする際に、自分から会話の機会をつくることが多い六太。 特に「フォーミング」な関係性では「話しかけられるのを待っている」人が多いため、「よかった、話しかけてもらえた」という安心が相手に生まれます。まあ、ビンスは常に淡々としていますが……(笑)。(20巻#188)
◆マエストロ型
浮かんだアイデアは、1人で実行せずに
「ティーチャー型」の人に伝えよう
物事を成果に向かって効率よく進めたい傾向のあるマエストロ型の人が、「フォーミング」の段階でやりがちなのが、「1人きりで黙々と始める」です。コンサルタント型の「引っ張る」スタイルとは違い、まずは自分でコツコツと積み重ねていこうとします。
アイデアや行動力があり、自らやりたいこともはっきりしているので、自分のペースに従って実行に移してしまうのですが、周囲のメンバーはまだ温まっていません。
メンバーはそんなマエストロ型の様子に、「あの人、1人で何かやり始めた……」「いったい何をしているのだろう。任せてしまっていいのかな?」と、困惑することもあります。
そこで、メンバーを自然に巻き込むためにも、思いついたアイデアや意見を、ティーチャー型の人に伝えてみましょう。ポジショニングマップの対角に位置するティーチャー型は、お互いの凸と凹を補い合いやすい関係です。
ティーチャー型はまとめるのが得意なので、マエストロ型のアイデアに対し、「チームでどう進めていくか」を、上手にメンバーに伝えてくれます。
◆ティーチャー型
個人と組織、両方の視点からの気配りが得意
「フォーミング」では押すスタイルを意識しよう
人に教える・説明することが得意なティーチャー型ですが、「フォーミング」の段階では、「教えすぎない」という点に注意しましょう。 メンバーの強みや弱みがわからないうちに何かと指示を出して「こうすればいいんだよ」と教えてしまうのは、メンバーの成長の機会を奪ってしまいます。
cakesは定額読み放題のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。cakesには他にも以下のような記事があります。