第1ステージフォーミング【形成期】
集団や組織は、この「フォーミング」の状態から始まります。 イメージしやすいよう、まずは主な特徴をあげてみます。
・チームが結成されたばかりで、メンバーがお互いのことをあまり知らず、自分が何をするべきかもよくわかっていない。
・与えられた指示や目標に向かって、とりあえず行動している状態。
・各自がリーダーシップを発揮するというよりも、役職(ポジション)としてのリーダーからの指示を期待している。
・他者への依存度が大きく、「誰かがどうにかしてくれる」という意識がある。
・「これを言ったらまずいかな?」という、メンバーに対する遠慮がある。
・不安や内向性、緊張感がある。
・会話が「Should(~しなければならない)」で語られることが多い。
・メンバーの見ている方向性がバラバラで、「とりあえず自分がよければいいや」という意識。
・第2ステージ「ストーミング」へと成長するためには、コミュニケーションの「量」が重要となる。
さて、どうでしょう。これらを概観してみると、「フォーミング」におけるメンバーのメンタルモデルには、「依存」や「他責」という言葉がしっくりきます。
なにやらネガティブで受け身な状況に見えますが、「フォーミング」の段階では、これがごく自然な状態です。
目的もよくわからず、自分の役割も誰かに与えられた状態で自発的に行動するのは不安で難しいことなので、「依存」や「他責」が生まれるのは当然です。
自ら考えられるアンテナがまだ立っていないにも拘わらず、「自分たちで考えてごらん」と丸投げしてしまうと、不安感がさらに強くなってしまいます。
かといって、与えられた指示に従うことだけを続けていては、チームとしての発達も望めません。「フォーミング」でチームの成長を促すためには、「自発的に動いてもらうための指示」を意識するようにしましょう。
たとえば、「〇〇しなさい」ではなく、「私は〇〇してほしいけれど、あなたはどれくらいならできる?」というふうに尋ねてみる。これは質問の形をした「指示」のテクニックの1つです。
さらに「フォーミング」の段階にセットでやっておきたいのが、次の3つです。
ポイント1目的を「映像」で伝える
ポイント2目標を「数値」で伝える
ポイント3指標と原則をつくる
まとめると新しい仕事や案件が始まる前に、キックオフやオリエンテーションの機会を設けましょう、ということです。
なぜ「映像」や「数値」で伝えるのかは次回説明しますが、チームが結成されたタイミングで惰性的にスタートしてしまい、この3点を共有しないまま進めてしまうことは意外と多くあります。
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