チームワークとは、お互いの凸と凹を活かすこと
ここまでリーダーの4つのスタイルを紹介してきましたが、あなたは自分にしっくりくると感じたものはありましたか?
さて、ここでテーマは再び、「2人から始めるチームづくり」へと戻ります。 「違うタイプの人と組んだほうが、うまくいく」と書きました。
それをこのスタイルにはめ込むと、それぞれの対角にあるタイプとなります。
「ファシリテーター型」×「コンサルタント型」
「マエストロ型」×「ティーチャー型」
そもそも、これまでの「チームワーク」という言葉は、「メンバー全員が同じ方向を向き、同じことを、同じようにできる」という意味で使われている場合が多かったと思います。
自分と同じ意見を持ち、「私もそう思うよ」と共感してくれる仲間は、何かと物事を進めやすいし居心地もよいでしょう。そのため、つい自分と似たようなタイプの人とチームを組みがちです。
しかし似ているということは、「凸(強み)」や「凹(苦手なこと)」が同じ可能性も高くなります。そうなると、相手があなたの凹を埋めることはできないし、あなたも相手の凹を埋めてあげることができません。
だからこそ「お互いに違うということを前提に、それぞれの違いを活かす」ことがチームワークだと考えます。「意見が合わないから一緒にやらない」ではなくて、「そもそも考え方が違うことから始める」という前提です。
違いを活かすために、お互いが知っておくこと
とはいえ、成果志向とプロセス志向の人がチームを組むわけですから、その過程でぶつかり合うことはもちろんあるでしょう。
そのときに、「チームワークとは、お互いの違いを活かすこと」という共通認識があれば、「自分のできること/できないこと」「相手ができること/できないこと」が見えてくるはずです。またその延長として、お互いの「好き/嫌い/得意/苦手」の4つの項目を理解しておくことをおすすめします。
好きなことは、極める。
嫌いなことは、避ける。
得意なことは、引き受ける。
苦手なことは、委ねる。
この4つをメンバーが共有し実践できれば、違いを活かしたチームワークが生まれてきます。
「私、〇〇が得意なので引き受けます」
「じゃあ私は、〇〇を担当します」
「私の〇〇ですが、苦手なので委ねたいです」
そんな会話が飛び交うようになるでしょう。
注意点としては、たとえばファシリテーター型とティーチャー型が組むと、両方ともプロセスにこだわりすぎて、なかなか前に進めなくなってしまう可能性があります。
同様に、マエストロ型とコンサルタント型のペアでは、成果ばかりを追求するあまり人間関係を疎かにしてしまい、チームの雰囲気が乱れてしまいがち。
ペアが理想の形になっていないからといって現在のチームを慌てて解消する必要はありません。
「自分たちは、プロセス(成果)にこだわりすぎる傾向があるから、成果(プロセス)を大切にするメンバーの意見も参考にしよう」という認識を自覚できるようになればいいのです。
チームは、相互理解と小さな混乱を繰り返し乗り越えることで成長していきます。
あなたがチームを成長させたいのであれば、あえて自分と違うタイプと組んでみましょう。ときにプロセスを大切にし、ときに成果を追求し、2人が押したり引っ張ったりと、2人でリードしていく新しいチームワークの形があるはずです。
(まとめ)どのスタイルにも、凸と凹はある。 だからこそ、組み合うことでチームは成長していく
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