ティーチャー型(プロセス志向×引っ張る)
教師のように、「諭す/教える/伝える」といったアプローチでリードすることが得意なスタイルです。
成果よりもプロセスを大切にしますが、ファシリテーター型が相手の中にあるものを引き出そうとするのに対し、ティーチャー型は自分が前に立ち、論理的に説明したうえで、「でも、実際にやるのはあなたたちですよ」と、間接的に引っ張っていきます。
物事を観察する、異なる意見をまとめるといったことも得意なので、ムードメーカーになったり、チーム内の緩衝材的な役割を果たしたりすることもあります。
【宇宙兄弟に見る、 ティーチャー型タイプは?】
【福田直人】
六太や真壁ケンジ、せりかと一緒に、宇宙飛行士の選抜試験を受けた福田。残念ながら最終選考に残ることはできませんでしたが、その後、民間のロケット開発会社に就職し、再び宇宙への夢を追いかけています。
福田は、六太たちと共に宇宙飛行士を目指していたころは比較的「押す」寄りのスタイルだったので、ファシリテーター型に近かったと思います。民間のロケット開発会社に就職し、初の民間企業による有人ロケットの打ち上げに意欲を燃やすようになったことで「引っ張る」寄りのリーダーシップを発揮するようになり、ティーチャー型のリーダーとして活躍します。
新たな目標を持ち、「引っ張る」スタイルが必要とされるポジションに就いた福田。もともと得意だった「押す」と「引っ張る」の両方を使いこなすバランスのよさを身につけました。(22巻#213)
自分が夢中になれる目標を再び見つけたことや、六太たちが宇宙で活躍していることが力となり、会社の仲間たちを引っ張っているのではないでしょうか。
このように、同じ人でも目標や環境によってリーダーのスタイルが変わっていくパターンもあります。
【金子シャロン】
六太や日々人が幼いころから慕っている天文学者のシャロンも、ティーチャー型のリーダーのスタイルを発揮している1人です。
「迷ったときは、どっちが正しいかなんて考えちゃダメ。どっちが楽しいかで決めなさい」
「あなたにはお兄ちゃんを引っ張っていく力がある。もしもあなたが止まってしまったら、そのときはきっと、うしろから六太があなたの背中を押してくれる」
数々の深い言葉を、2人の心に刻んできたシャロン。
常に六太と日々人を温かく見守り、彼らが悩んでいるときには的確なアドバイスをし、自らの力で一歩前へと踏み出せるようリードしています。
その人が必要なことを、その人が必要なときに、その人がベストなタイミングで伝えることができるのがティーチャー型の魅力。六太や日々人にとって、シャロンはまさにそんな存在。