障害基礎年金がなくなった⁉ チャンスはもうない。鈍感力で社会に出ちゃえ

最愛の夫と死別し、悲しみにくれていた福本さん。息子さんの「大学にもう一度行きたい」という願いに、はっとさせらます。そんなとき、「障害基礎年金」が支給されなくなって……。
障害者にとっての「年金」「就職」について、ぜひ皆さんに知っていただけたらと思います。

さらに追い打ちをかける出来事があった。

私は22歳の時、障害者認定を受け、(20歳にさかのぼってから)夫が逝くまで障害基礎年金を受給していた。だが、夫の死後、障害基礎年金は止まり、健常者同様の共済遺族年金のみになった。

勤務年数が20年足らずの夫の共済遺族年金の金額は、障害基礎年金とほぼ同額。それが母一人食べていくにも厳しい額だと知った息子は、年金相談センターに出向き訴えた。

「母の脳性まひという障害はなくなったわけではない。むしろ、年々悪化している。なのに、なぜ障害基礎年金が止まったんですか。健常者のように働く体力もない。雇ってくれる場所もないのに」

一人一年金という制度を、人生で一番悲しかった時に息子と知った。社会の一方的な都合で、私は障害者ではなくなったのだ。

そんな追い込まれた状況もあり、私は進化(悪化)する脳性まひとつきあいながら、息子の大学再入学のため一念発起、学費捻出のため、鈍っていた生活者としての生きる勘や経済感覚を少しずつ取り戻していく。

父の大きな背中はなくなってしまった。

ならば、優しい顔もできなくなった私が、丸まった小さな背中でも見せてやるか……。教師になりたい息子を信じて。

さて地味でなにも知らない専業主婦が、どんなご縁に導かれ、週三日の仕事に就くことになったのかこれからお話する。

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障害マストゴーオン!

福本千夏

脳性まひ者の福本千夏さん。 50歳にして就職して、さまざまな健常者と関わる中で、感じた溝を語ります。

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ShogaiMustGoOn 【今週の『障害マストゴーオン!』】 「一人一年金という制度を、人生で一番悲しかった時に息子と知った。社会の一方的な都合で、私は障害者ではなくなったのだ」(本文より) ぜひ、感想をお寄せください。 https://t.co/kL0o3P9skV 4ヶ月前 replyretweetfavorite

ShogaiMustGoOn 【8/5更新】「」 https://t.co/kL0o3P9skV 息子さんの「大学にもう一度行きたい」という願い。そんな時、「 4ヶ月前 replyretweetfavorite