閉鎖病棟での忘れられない出会い

自衛隊初の現場の臨床心理士として、トップの利用率と9割の復職成功率を誇り、これまで3万人以上の心を解放してきた玉川真里氏が、落ち込みから立ち直るメソッドをわかりやすく紹介します。『イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ』をcakesで特別連載!(毎週火曜更新)

閉鎖病棟での忘れられない出会い

 当時は「カウンセリングなんて」という気持ちでした。下園さんが私の職場の人たちに私の状況を話して、これ以上居場所がなくなったら困ると思っていました。
 でも全然違いました。しっかり話を聞いてくれて具体的に対策を練ってくれるし、それを漏らす人でもありませんでした。まわりに上手に説明してくれて、具体的に私を守る方法を考えてくれたのです。
 その結果、岡山の勤務地から下園さんが勤務する広島に移って、カウンセリングを受けながら働くことになりました。でも、私の自殺願望が強いというので、「ちょっとだけ」とだまされて、自衛隊病院の閉鎖病棟にポイッと入れられてしまったのです。
 当時の私は「ただ逃げたいだけで病気じゃない」と思っていたので、見捨てられた感があって、ものすごくつらかったです。
 病院の先生は、けっこうケロッとしていました。「まあ、あなたが生き延びてきた人生を思えば、そりゃあ、こうなるわねえ」「もうちょっと気楽に生きればいいんじゃないの?」という感じでした。
 その先生が言うには、「薬よりも、患者さん同士の話が一番効果がある」とのこと。
 最初はその言葉の意味がわかりませんでした。病院なのに、薬で治るのではないとはどういうことだろうと。
 疑心暗鬼で過ごしていましたが、すぐに患者さんたちがみんなすごくやさしいことに気づきました。みんなが声をかけてくれて、自分のことを話してくれるのです。
 統合失調症の人もいましたが、すごく穏やかでした。私の手首を見て「ためらい傷だねえ。しんどかったねえ」と言ってくれるおばあちゃんもいました。
 そこは隊員と隊員の家族しか入れない病院なのですが、そういう先輩患者さんたちがいっぱい声をかけてくれました。
 患者さんたちと実際に接するまで、私は非常に間違った考えを持っていて、「精神科は頭のおかしい人たちが入る所」「そこに入ったら自分の人生はそういう色で染められて、誰とも普通の交流はできなくなる」と思い込んでいました。

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イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ

玉川真里

自衛隊初の現場の臨床心理士として、トップの利用率と9割の復職成功率を誇り、これまで3万人以上の心を解放してきた玉川真里氏が、落ち込みから立ち直るメソッドをわかりやすく紹介します。『イヤな気分をパッと手放す「自分思考」のすすめ』をcak...もっと読む

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