プログラマーが発見した、鳥たちの行動の秘密
鳥は、群れで行動することが多い生き物です。みなさんも、たくさんの鳥が群れを作って飛んでいるのを一度は見たことがあるでしょう。都会暮らしだと見る機会は少ないかもしれませんが、少し田舎の方や山の近くに行くと、見かけることが多いと思います。
私たち人間も、集団行動を取ることがよくあります。同じ教室で授業を受けたり、一緒にピクニックに行ったり。初詣の時には、大勢の人が神社に押し寄せるので、身動きすら取れなくなることだってありますね。けれども、鳥が群れを作って一緒に行動する理由は、人間のそれとは違います。
理由の一つは、敵から身を守るためです。一羽だけで飛んでいると、タカなどの敵に狙われやすくなりますが、群れで行動していると、一羽一羽が敵を警戒できるので、異変に気付きやすくなります。また、集団で寝床を探すという目的もあります。鳥が群れを作るのは、生きていくためなのです。
鳥の行動を詳しく研究した結果によると、鳥の群れにはリーダーがいないことが分かっています。もし、群れのメンバーがリーダーの指示で動いていたとすると、タカなどの敵が近づいたとき、リーダーが気付くまでは逃げる行動をとれません。けれども、鳥の群れはリーダー不在なので、群れの中のどれか1羽がタカに気付いて逃げ始めれば、他の鳥も皆、最初に逃げ出した鳥に付いていきます。結果として、タカに食べられることなく生きのびる可能性が高くなります。
鳥の動きを表す「ボイドモデル」
けれども、考えてみれば不思議な話です。リーダーがいないのに、なぜ集団行動ができるのでしょうか?人間が集団で行動するときは、先生、クラス委員、上司、キャプテンなどのリーダーの指示に従います。けれども鳥は、リーダー不在でも集団行動ができてしまいます。ということは、鳥は人間より頭が良いのでしょうか?
実は、そんなことはありません。鳥たちは、たった三つのルールに従って動いているだけなのです。
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