プログラマーが発見した、鳥たちの行動の秘密

身の回りを見渡すと、日常は不思議なほどに美しい「数」の法則にあふれている。そんな「日常にひそむ うつくしい数学」を、京都大学物理学専攻の著者が、小学生でもわかる平易な文章で解説。難しい数式は読み飛ばしても大丈夫。本連載は「日常にひそむ うつくしい数学」(朝日新聞出版)よりお届けいたします。

プログラマーが発見した、鳥たちの行動の秘密


鳥は、群れで行動することが多い生き物です。みなさんも、たくさんの鳥が群れを作って飛んでいるのを一度は見たことがあるでしょう。都会暮らしだと見る機会は少ないかもしれませんが、少し田舎の方や山の近くに行くと、見かけることが多いと思います。

私たち人間も、集団行動を取ることがよくあります。同じ教室で授業を受けたり、一緒にピクニックに行ったり。初詣の時には、大勢の人が神社に押し寄せるので、身動きすら取れなくなることだってありますね。けれども、鳥が群れを作って一緒に行動する理由は、人間のそれとは違います。

理由の一つは、敵から身を守るためです。一羽だけで飛んでいると、タカなどの敵に狙われやすくなりますが、群れで行動していると、一羽一羽が敵を警戒できるので、異変に気付きやすくなります。また、集団で寝床を探すという目的もあります。鳥が群れを作るのは、生きていくためなのです。

鳥の行動を詳しく研究した結果によると、鳥の群れにはリーダーがいないことが分かっています。もし、群れのメンバーがリーダーの指示で動いていたとすると、タカなどの敵が近づいたとき、リーダーが気付くまでは逃げる行動をとれません。けれども、鳥の群れはリーダー不在なので、群れの中のどれか1羽がタカに気付いて逃げ始めれば、他の鳥も皆、最初に逃げ出した鳥に付いていきます。結果として、タカに食べられることなく生きのびる可能性が高くなります。

鳥の動きを表す「ボイドモデル」

けれども、考えてみれば不思議な話です。リーダーがいないのに、なぜ集団行動ができるのでしょうか?人間が集団で行動するときは、先生、クラス委員、上司、キャプテンなどのリーダーの指示に従います。けれども鳥は、リーダー不在でも集団行動ができてしまいます。ということは、鳥は人間より頭が良いのでしょうか?

実は、そんなことはありません。鳥たちは、たった三つのルールに従って動いているだけなのです。

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この連載について

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日常にひそむうつくしい数学

冨島佑允

身の回りを見渡すと、日常は不思議なほどに美しい「数」の法則にあふれている。知っているようで知らなかった日常の不思議。身の回りに隠された数の神秘。そんな「日常にひそむうつくしい数学」を、京都大学物理学専攻の著者が、小学生でもわかる平易な...もっと読む

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コメント

mooning_papa 鳥の群れにはリーダーがいないらしいんだけど、その組織行動ルールが日本人の社会みたいで面白い。 約1年前 replyretweetfavorite

PagannPoetry 昨日公開されました。今回は鳥がどうやって集団行動を形成しているかがテーマです。複雑な動きも単純なルールで生み出すことができる。 https://t.co/IMTbfqhLAz 約1年前 replyretweetfavorite