フィボナッチ数を考案したのは、フィボナッチ氏ではない

身の回りを見渡すと、日常は不思議なほどに美しい「数」の法則にあふれている。そんな「日常にひそむ うつくしい数学」を、京都大学物理学専攻の著者が、小学生でもわかる平易な文章で解説。難しい数式は読み飛ばしても大丈夫。本連載は「日常にひそむ うつくしい数学」(朝日新聞出版)よりお届けいたします。

フィボナッチ数を考案したのは、フィボナッチ氏ではない

「花びらと階段」 さて、この二つの共通点は何でしょうか?全然関係が無いように見えますが、実は、数学的に同じ法則に従っています。

まずは、階段から考えます。あなたが、階段の5段目まで上りたいとしましょう。その際、1段ずつ上るか、2段一気に上がるかの2通りの進み方ができるとします。さて、5段目への上り方は何通りあるでしょうか?この問題は結構有名で、大学の入試問題にもしばしば登場します。

解き方のコツは、いきなり5段目を考えるのでなく、1段目から順番に考えることです。1段目への行き方は、当然ながら1通りだけです。2段目は、1段目から上がる方法と、2段一気に上がる方法の2通りあるので、1+1=2通りです。3段目は、2段目から上がる方法と、1段目から2段一気に上がる方法があるので、「(1段目への行き方:1通り) +(2段目への行き方:2通り)=3通り」です。

このように順番に求めていくと、次のようになります。

0段目:1通り (まだ階段を上り始めてない状態なので1通りとみなせる)
1段目:1通り
2段目:1+1=2通り
3段目:1+2=3通り
4段目:2+3=5通り
5段目:3+5=8通り

つまり、直前の二つの解答を足すと、次が求まります。そう考えると、計算が簡単に思えてきますね。ちなみに、6段目への行き方は5+8=13通りです。

このように、最初は二つ並んだ1からスタートして、前の二つを足して作っていく数字

1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21, 34, 55, 89, ……

これらを「フィボナッチ数」と呼びます。フィボナッチ数は、イタリアの数学者フィボナッチが『算盤の書』という本の中で紹介して以降、広く知られるようになりました。とは言っても、彼自身がフィボナッチ数を考案したわけではありません。

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この連載について

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日常にひそむうつくしい数学

冨島佑允

身の回りを見渡すと、日常は不思議なほどに美しい「数」の法則にあふれている。知っているようで知らなかった日常の不思議。身の回りに隠された数の神秘。そんな「日常にひそむうつくしい数学」を、京都大学物理学専攻の著者が、小学生でもわかる平易な...もっと読む

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コメント

PagannPoetry じゃあ、誰だったんだろうね…。 “フィボナッチ数を考案した人類最初の人物が誰なのかは謎” 5日前 replyretweetfavorite

kiki85641279 自然界ってすごい。でも難しい。この仕組みが分かったら世界が楽しくなりそう。 https://t.co/8x1FAA2D2Y 9日前 replyretweetfavorite