障害者が働くということ

今回からは、怒涛の就職編です。
50歳で、就職することになった福本さん。その背景にあったのは、最愛の旦那さんとの死別、そして、息子さんからのとある「お願い」でした。
働いて生きていく。今回は、その決意を固めるまでをお送りします。

50歳からの就職は、普通でも厳しいものらしい。まして、なんの技能もなく、あるのは「特殊」な体だけ。こんな自分が50歳から働く経験をするなんて思ってもなかった。今回からは、私のその「特殊」な経験をお話ししまーす。

働くって普通ならそんなに「特殊」なことではないはず。でも、働くってやっぱりタイヘンでした。あっまわりも!?

夫他界後、五年経った頃、ようやく生きることを選んだ私に息子は大学復学を申し出た。奨学金も該当する年齢ではなくなっていた彼は土下座をした。が、これ以上貯蓄を大幅に崩すのは心細い。よし! 働こう。働く経験もなく、お役になんて立てそうにはないけれど、一歩を踏み出してみよう。

学ばせてもらったことも多い。いろいろな人にも出会わせてもらった。ここ、被災地の障害者を支援する・認定NPO法人「ゆめ風基金」で働くご縁がいただけていなかったら今の私はない。

夫の稼ぎで、家族三人生活の糧を得、家庭の中で生きた時間にも、改めて感謝できる。教師になった息子の毎日の苦労と喜びも想像できる。

……が、入職時から六年経ち今年57歳の私。息子にも母の後ろ姿は必要ではなくなった。職場の空気は、まあいい時もそうでない時もある。それぞれの思いや思惑がある人が集まる場所だもの。しょうがない。それはスルーするにせよ、この間、いくつかの内部疾患もわかり、不随意運動で振り続けた首も痛い。

はてさて、ここからどうやって生きるか? 改めて私は働くことを考える時期を迎えた。あなたは、なぜ働いていますか?あなたの職場には障害者は居ますか?

もちろん、日本は資本主義。労働という形で労力や時間を使い、お金を得てお金を使い、生きる。その社会システムの中に障害者が組み込まれていないのは、おかしい。

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障害マストゴーオン!

福本千夏

脳性まひ者の福本千夏さん。 50歳にして就職して、さまざまな健常者と関わる中で、感じた溝を語ります。

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コメント

ShogaiMustGoOn 【7/29更新】 「50歳からの就職は、普通でも厳しいものらしい。まして、なんの技能もなく、あるのは「特殊」な体だけ。こんな自分が50歳から働く経験をするなんて… https://t.co/XBxDDVY8Rr 4ヶ月前 replyretweetfavorite

20040401hades #スマートニュース 4ヶ月前 replyretweetfavorite

tym_tomoniikiru いろんな「自分」と「他者」の関係性が詰まっているので是非読んでほしい。 誰かと交わらないと、そもそもその関係性は生まれないもので、それは障害者に限ったことではない。 4ヶ月前 replyretweetfavorite