生涯未婚率は23パーセント
初めまして。
経済評論家の佐藤治彦です。
この連載は、おひとりさまの家計経済を考えていく連載です。
僕はすでに50歳も超えてしまいましたが、一度も結婚したことがなく、世間でいう「負け組」を続けてきました。
世間的に恥ずかしい、人には言えない「超負け組」だと思っていたら、ちょっと前に、生涯未婚率は23パーセントというデータを見ました。
え! 4人に1人?
まあ、離婚したり、死別したりする人もいるからなあと思っていたら、この生涯未婚率という数字は、50歳までに一度も結婚したことのない人の数だそうです。
びっくりしませんか?
それに加えて、離婚したり、死別したりする人も入れたら、おひとりさまはどのくらいになるのでしょう。
僕のまわりには結婚していてもあまり幸せではない人たちもたくさんいます。
離婚して慰謝料や養育費を山ほど払ってるのに、酔っ払うと「佐藤~、一度は結婚しておいたほうがいいんじゃないか?」と言う男友達。
ちょこちょこ手をあげる暴力夫に嫌気がさしながら、「今更どうしようもない」と我慢している女友達。 「おひとりさま」ってそんなに不幸でしょうか?
おひとりさまは急増している!
話を生涯未婚率に戻しますと、この生涯未婚率という数字、1980年ごろは、100人に1人〜3人くらいでした。しかし、どんどん増えているのです。
ちなみに先ほどの数字は男性のもので、女性は14%くらいだそうです。
こうなると、おひとりさまも一大勢力です。
100人に1人から、4人に1人となれば、すでに「普通」ではないでしょうか。
結婚して幸せな生活を送っている人もいます。
100人いれば100人の人生があって、幸せな人もいれば、家庭内離婚、家庭内別居、リアル別居生活と、仲違いする人も少なくありません。 仲たがいする人たちをつなぎとめているのものは、たいていは二つです。
一つは子ども、もう一つは経済的な理由です。
子どもは教育費だけで、大学まで行くとなると公立コースでもひとり1000万円はかかります。
これが、お受験だ、習い事だとなると青天井です。
家庭教師のトライや進学塾のどこそこも、夏の講習が無料とか言ってもその先はちゃんと請求書が回ってくる講習が始まります。
夫は憎くても子どものために離婚を諦めている人は少なくありません。
もう一つだけ、数字を出しますね。
日本の世帯のうち1800万世帯ほどが単身者世帯です。
全体の世帯数が5300万くらいですから3軒に1軒が単身者世帯、おひとりさまなのです。
大学に行くためにひとり住まいしている。就職して結婚するまでの間のひとり住まい。別居や、老後に死別してひとり住まい。転勤でひとり住まい。逆に同棲や、おひとりさま同士でシェアハウスなどで共同生活している。
そういう人もいるので一概には言えない数字なのですが、今後増えることはあっても、きっと減ることはないでしょう。
おひとりさまこそマンションを買うべき?
よく聞く話ですが、独身女性も30歳を超えてしばらくすると、自分はもう一生独身のままかもしれない。だから、歳をとっても家賃の心配をしないようにという変テコな理由でマンションを30年ローンで買ったりします。
それまで貯めておいた元結婚資金の500万円を頭金にして買ってしまうのです。
長年の僕の担当の女性編集者はバツ1になってから親からのプレッシャーもあり、ローンを組んでマンションをとうとう買ったのですが、その後でなんと新しい彼氏ができてしまいました。
買ったマンションが大きな人生のコブにならないといいけれどと思ってます。
はい、僕は「マンションを買ったから住居に関しては将来も安心」とは思っていません。
この連載では、そうしたことを書いていこうと思っています。
「結婚はしたいけど、もしかしたら一生一人かも」と、今後のいろいろに不安を覚える人も多いと思います。
おひとりさまが、どうしたら幸せになれるか?
お金を軸に考えていく連載です。
住宅、貯金と資産運用、保険、仕事。人間関係、老後、老人ホームやお墓やお葬式のことも考えます。
結婚していても、していなくても、将来に対する不安はぬぐえません。
また、大金持ち=幸せという式も当てはまりません。大豪邸に住み、きらびやかなブランド品に囲まれ、毎晩のように何万、時に十万円する5大シャートーのワインを開けているのに不幸な人もいます。
経済的に恵まれていなくても幸せな人も大勢います。
大勢いますが、たいていの人にとって、ど貧乏な生活は辛いものです。幸せ感も少ないものです。
例えば、大好きなタレントさんがいて、その人がテレビに出て笑顔でいてくれるだけで幸せな気分になるとします。
その人がエッセイ集を出します。舞台に立ちます。
そんな時に、本を買ったり、舞台のチケットを手に入れる経済力は欲しいものです。
休みに温泉に行きたい、年に一度はハワイに行きたい。そう思っているのなら、それを実現できる経済力があることは悪いことではないと思うのです。
人の欲望は底なしですから、ある程度ということになりますが、自分のしたいことが自由にできる。
選択が経済によって縛られない。それっていいですよね?
資本主義の世の中に生きているのですから、あまりお金に困らないほうがいいように思うのです。
「私は給料も少ないし、経済的に困らないなんてありえない」言う人もいると思います。
でもね、改善することはできるんですよ。
ものすごく困ってる人が、少し困ってるに変わった。普通の人が、少しリッチに思うことも増えてきた。そういうことを目指す連載です。
こんなことを知りたい。あんなことを書いてくれというリクエストも待ってます。
cakes の連載は「普通の人がケチらず貯まるお金の話」に続いて2回目です。
どうぞよろしくお願いいたします。