昔の歌舞伎町の雰囲気を最後まで残す「思い出の抜け道」。バラック屋台が並び、魑魅魍魎が跋扈する小道は、潜入記者時代何度も痛い目にあった場所だ。尻の奥がキュッとするのは気のせいか。O氏と2人、当時のタフエピソードを語っていると、小道が妙に明るいことに気づいた。薄暗くうねった道の真ん中に、複合飲食店施設「のれん街」ができており、古民家風の長屋は若者で賑わっている。
歌舞伎町の最深部に現れる「思い出の抜け道」。古いバラック屋台などが軒を連ねており、抜けるのには躊躇する道だ
焼き鳥、牛タン、串カツ……肉食な街にふさわしく、煙と熱気でもうもうの店内。O氏と俺は焼き鳥屋の鶏皮焼きをビールで流し込もうとした刹那……“ドスン!ドスン!”と天井が軋む音が。他の客も酒を飲むのを止めて異音がするほうを見上げている。
(右下から時計回りに)美羽ママ、ちいママの優羽さん、石頭さとみさん、ライカさん。ちなみに全員がニューハーフというから驚きだ
「実はこの上、ショーパブなんですよ。僕らは慣れっこなんですが、ビックリしますよね(笑)」
そう語る焼き鳥屋の店主。確かに2階からラウドな音楽とともにステップを踏むような音がする。
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