お酒を飲むと、気付かぬうちにしゃべり声が大きくなったり、同じ話を繰り返したりする。さらにはふらふらと千鳥足となり、どうやって家にたどり着いたか記憶をなくしてしまっていたりする。
なぜ、そうなってしまうのか。翌日、二日酔いで頭が痛くなるのはどうしてなのか。「酔い」のメカニズムを科学してみよう。
身もふたもない表現だが、酔いとは「脳のまひ」に他ならない。
お酒を飲むと、その20%が胃で、残る大部分は小腸で吸収される。吸収されて血液に溶け込んだアルコールは肝臓に運ばれ、分解処理に回される。このプロセスは次回で詳述しよう。
ただし、すぐに分解できるわけではないので、血液のアルコールの多くは心臓を経由して、全身を巡ることになる。飲んだアルコールが脳に到達するまでには、数十分以上かかるのが普通だ。
酔いの程度は、血中のアルコール濃度が物差しになる。下図を見ていただきたい。アルコール濃度が上がるほど、脳のまひの範囲も広がっていく。
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