日本の10代は、なぜ自尊感情や自己肯定感が低くなりやすいのか

「敏感気質(HSP/HSC)」の第一人者・長沼睦雄先生が10代(と、そして大人)に贈る、心の疲れをラクにする方法。朝起きると「また一日が始まる」と、どんよりした気分になっていませんか? 人間関係、勉強、家族、容姿…ストレス社会で生き延びる技術を紹介します。『10代のための疲れた心がラクになる本』をcakesで特別連載!(毎週火曜・金曜更新)

自分軸と協調性

 日本の10代は、なぜ自尊感情や自己肯定感が低くなりやすいのか。
 その理由を考えるうえでのひとつのキーワードが、「自分軸」です。
 自分軸の弱い人が増えているのです。
 子ども時代の主観中心の世界から、客観的な世界観をもつようになり、自己と他者という概念が芽生えてくる時期。よく「10歳の壁」などといいますが、ここから、他者との関係性のなかで自己の中心となるもの、自分軸を育んでいくことになるわけですね。
 しかし、自分に対するマイナス感情が強すぎると、不安が過剰に強くなり、自分を認め、肯定していく心の柱ができません。
 そして、ものごとの判断基準を他者にゆだねてしまうクセがつきます。第4章で説明したように、「自分がない」状態になりやすいのです。
 こういうタイプの人が、とても増えています。

 もうひとつ見落とせないキーワードが「協調性」です。
 日本は、協調性が大事にされる社会。古くから「和を以て貴しとなす」といって、人との「和」を尊重する文化をもった国です。
 そのため、「人と違うことをしないほうがいい」という風潮があります。
 何か目立つことをすると「出る杭は打たれる」ことになりやすい。
 だから、違うと感じても、それをはっきり指摘するよりは、できるだけ波風を立てないほうがいいと考える。
 自分はほかの人から浮いていないだろうかと心配になる。
 自己主張しにくくなる。
 他者と自己の区別を知り、自分軸をつくっていく時期にこういう思考のクセがつくと、人との違いをとても怖がり、自分の個性を出さないほうが無難だという気風ができやすくなっていくのです。
 自分が出せない──これもまた、自分軸の弱さにつながっていきます。
 自分軸の弱い人は、自分がよくわからなくなっています。だから自分が好きにはなれないのです。

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長沼 睦雄

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コメント

bumi_y 「ほかの人に振り回されそうになったときには、ひと呼吸置いて、「人も大切、でも自分も大切」とつぶやいて考えてみましょう。」→ 3ヶ月前 replyretweetfavorite