一週間ほど、サンドアートを売るために市場への送迎を渋沢にしてもらう日常が続いていた。
帰りは決まってスーパーで買い出しをして夕飯を一緒に食べる。
なんとなく、これが当たり前という空気になっていた。
これって、もしかすると、もしかするのかもしれない。
渋沢のことが頭をよぎる時間は日に日に増していた。
しかし、ユウカと渋沢の仲は一向に進展しなかった。
ユウカが胸の開いた服を着ても、ミニスカートを履いても、特に気にとめる様子もないし、見ている様子もない。(だいたい、そういう視線には女子は気づく)
それは、渋沢が奥手なのか、それともそういうことに興味がないのか……そのあたり渋沢の性格をユウカは測りかねていた。
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