甘酒には大きく2種類ある。
もろみの搾りかすに砂糖などで甘味を付けた安価な酒かす系。それに麹と蒸した米のみを発酵熟成させ、米のでんぷんがブドウ糖に分解された米麹系だ。アルコールは含まれないが、八海醸造が得意とするのはこちらの米麹系だが、市場はまだないに等しかった。
蔵元だけに、麹造りや糖化のコントロール、雑味をなくす、爽やかな甘さが味わえるようにするといった技術はお手のものだ。しかも、既存の酵母、設備を使って簡単に造れる。「ちょっと出してみよう」くらいの軽い気分で売り出した。
ところが、いざ始めてみると「おいしい」「また飲みたい」と思いの外リピート需要が広がる。本腰を入れれば、自分たちが新たな市場を創出できるかもしれない。