写真で話そう

見えない」によって写真に物語を作る

ポートレート写真とは人が写った写真のこと。でも、「人が写った写真」と「顔が写った写真」は違うものなんです。写さないことで生まれる物語について考えます。

ワタナベアニです。

ポートレートは当然、人を撮るんですけど、人間の情報量の一番多いところは「顔」です。だから、ほとんどの場合は正面に近いところから撮りますよね。でも、後ろ姿に何かを感じることもあります。それは物語を想像させる空白部分が写るからかもしれません。

すべてをあからさまに写してしまわず、何かしらの余白を残す。5枚の組写真であれば、顔のアップや全身が写っているモノなどの中に、1枚の後ろ姿が入っているとどうでしょう。何をしているか丁寧に説明したい写真、考えさせたい写真、そのバリエーションがあると全体のストーリーがより豊かになります。

何をしているかはわかるけど顔が見えない、顔も見えないし何を考えているかもわからない、カラダの一部分しか見えていない。そういった、幕の内弁当で言えば柴漬けのような役割の写真が効果を生むことも憶えておいてください。

海老フライと豚カツとハンバーグ、とワンカットずつに強烈な思い入れを込めると、食べる人は疲れてしまいます。説明しすぎず、想像させる余地のある写真を撮るために、見せたい被写体の正面に行くのをぐっと我慢して、柴漬けにもトライしてみてください。

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ワタナベアニ

写真家・ワタナベアニさん。年中無休、四六時中、カメラのシャッターを切り続けています。この連載ではそんなワタナベアニさんのライフワークともいえる、ポートレート写真を掲載していきます。レンズのむこう側で写真家は何を思っているのか、その様子...もっと読む

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コメント

watanabeani ダブリンで会ったお姉さん。https://t.co/vQ4wTfsu4K https://t.co/hRK212DvRr 6ヶ月前 replyretweetfavorite

watanabeani 「写真で話そう」cakes https://t.co/vQ4wTfsu4K 6ヶ月前 replyretweetfavorite