eスポーツの爆発力

賞金10万円の壁 家庭用ゲーム機での成功もあだ花に

観客の前で対戦型のゲームを行う「eスポーツ」が脚光を浴びている。市場は2桁成長を遂げており、米国や中国が主導権を握っている。日本企業に巻き返しのチャンスはあるのか。

(前回「米国、中国が先行 eスポーツで追い付けるか」の続き)

 興行については後述することにして、なぜ日本が出遅れたのか、歴史をひもといてみよう。実は、観客の前でゲーム対戦するという意味では、日本は世界の先駆けだった。特に1991年にゲームセンターに登場した「ストリートファイター2」は対戦型ゲームとして一大ブームとなり、ゲームセンターに人だかりができた。ゲームセンターはしばしばゲーム大会を開いた。


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 対戦型ゲームを楽しむ素地があったのに、興行として成り立たなかったのはなぜか。一つ目の理由は法律の問題だ。景品表示法で賞金は10万円までと定められている。また、ゲームに参加する人からエントリー代を徴収して賞金に充てようとすると、今度は賭博罪に引っ掛かる。

 二つ目の理由は、ゲームセンターでの観戦ブームが長続きしなかったためだ。90年に家庭用ゲーム機「スーパーファミコン」が発売されてヒットしている中、ゲームメーカーはゲームセンターで成功したゲームをファミコン向けに移植した。それ以外にも、新しいゲームソフトが続々登場し、トレンドが家庭用ゲーム機に移った。2000年にはプレイステーション2が登場した。

 皮肉にもその成功がeスポーツで出遅れる原因となった。2000年ごろからインターネットが普及し、パソコンを使ったオンライン対戦がはやり始めた。

 アジアでいち早く反応したのは韓国だ。アジア通貨危機で経済が低迷していた韓国は、国を挙げてインターネットとオンラインゲームを後押しし、ゲームプレーヤーの育成に力を入れた。

 eスポーツではルールが単純で、短時間で勝敗が決まるものが主流になる。シューティングゲームやバトルロワイヤルゲームが主流になり、日本で人気の高いロールプレーイングゲーム(RPG)は不向きだった。

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週刊ダイヤモンド 2018年10/6号 [雑誌]

ダイヤモンド社,週刊ダイヤモンド編集部
ダイヤモンド社; 週刊版
2018-10-01

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ゲームにさほど興味のない人でも、eスポーツという言葉をよく聞くようになったと感じていることだろう。実際にどんなものなのか、ビジネスとして有望なのか、勝者は誰か、検証した。【全5回】 ダイヤモンド編集部・大坪稚子 ※『週刊ダイヤモンド』...もっと読む

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