「まずはリサーチ。で、プランニング。そうすれば、絶対契約取れるから。わかる?」──
「結局、女ってのは押しに弱いんだからさ。お前もがんばれよ」──
「子どもってのは、3歳までが大事なの。ちゃんと育ててあげてね」──
頼んでもないのに、上から目線でアドバイスしてくる人、いますよね。
しかも「お前に言われたくない」という人に限って、アドバイスしてきたがる。まったく頭にきます。
とりあえず話を合わせておこうと「はぁ、そうですか。参考になります」と言おうものなら、相手は絶好調になってアドバイスをやめません。
かといって、「私には私のやり方があるので」と、無用なアドバイスを断ると、「失礼だ」と怒ってしまう。「それはあくまで、あなたのやり方ですよね」と正論をぶつけても、「だから何?」と、居直る始末。
実は、この相手、結構な難敵です。
上手にかわす、うまい言い返し方はあるのでしょうか?
◆「私はこうだった。だからあなたも」という暴論
アドバイスしたがる人は、人の上に立ちたい人です。
アドバイスとは、それを始めた瞬間、相手の上に立つことができる、不思議なパワーを持っています。「~~したほうがいい」と言うだけで。先生と生徒の関係になれる。こんなに簡単なことはありません。
ところが、たいていの人は、他人にアドバイスできるほどの知識も、資格もありません。本来、アドバイスなんてできる立場ではない。でも、アドバイスしたい。
そういう人が何に頼るかというと、そう、「自分の経験」です。
仕事のやり方を指導してくる先輩にしろ、恋の武勇伝を語りたがる上司にしろ、孫の育て方に口を出してくる姑にしろ、たいていのおせっかいなアドバイスのもととなっているのは、「自分が体験したこと」です。
「私はこうだった」「僕はこれでうまくいった」という、自分の経験だけで言ってくる。百歩譲ってそこまではいいとしても、「だからあなたもこうすべき」「だからお前もこれでうまくいく」というのは、はっきり言って、論理が破綻しています。その人とあなたは違う人間なのですから。
それでも、こういう人たちは、自分勝手なアドバイスをしたがります。こっちが何を言い返しても、話になりません。
「私は違う」と言っても、「いいや、私はこうだった」。
「こういう意見がある」と言っても、「いいや、私はこうだった」。
「それはあなただけでしょ」と言っても、「いいや、私はこうだった」。
これは強い。まさに悪夢です。
いったいどうやったら撃退できるのでしょうか?
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