生理がしんどく、進学をあきらめそうになっています

今回、牧村さんのもとには、生理の抑うつ症状から高校時代に不登校を経験したという女性からの相談が寄せられました。「大学卒業後は大学院に進学しようと考えていますが、生理が私をまた狂わせるのではという恐怖がつきまといます」という相談者さんに、牧村さんは優しく寄り添いながらも力強い言葉を送ります。


※牧村さんに聞いてみたいことやこの連載に対する感想がある方は、応募フォームを通じてお送りください! HN・匿名でもかまいません。

「この世には、入試と生理がかぶったせいで進路を左右された人がいるに違いない」

って、この連載エッセイの過去記事「生理がある体を生きてる」でお話しました。

せっかく医療があるんだもの。「産婦人科って妊婦が行くとこでしょ?」「ピル=避妊でしょ?」の誤解を解き、思春期でも体調管理の一環として適切な婦人科治療が受けられるように……と思って、昨年はNHK-Eテレで性教育プロジェクトを手がけてきました。

けれど、生理のつらさを和らげる方法がいくらあっても、そもそも本人がつらすぎて何もできなくなってしまうことがある。今回ご紹介するのは、「生理の抑うつ症状から高校時代に不登校を経験した」という方からのご投稿です。「生理がある体に生まれた」ことを悲観せず、ただ受け止め、そして、意志を持って「生まれた体を生きて」いくために。一緒に考えていきましょう。

牧村さん こんにちは。牧村さんの書く文章がとても大好きでいつも勇気付けられています。私が今生きているのは牧村さんの本に出会ったからというくらい大好きで尊敬しています。

進路についてご相談があります。 私は社会福祉系の大学に通う3年生で、卒業後は大学院に進学しようと考えています。しかし、大学院に行くと決意したものの迷いが拭えきれない状況です。悩むのは私の住む場所が田舎ということもあり選択肢の少なさのせいもあると思いますが、悩みの主なタネは生理に関することです。 生理の諸症状により私の人生はいつも思い通りに行きません。高校ではうつのような症状が強く出て不登校気味になり、ろくに勉強ができないまま行きたい大学は受験することもできませんでした。

そうして行く気のなかった大学に通って3年経ちます。入学したばかりの時は他の大学への編入を考えましたが、生理で苦しんでいる状況では何か新しく始める気力もなくずるずると今を迎えてしまいました。 今は自分のできる範囲で無理せず色んな本を読み人と会い学んでいるのですが、常に生理が私をまた狂わせるのではという恐怖がつきまといます。この先、奨学金(大学+大学院分)という名の借金を健康とは言えない体で返していけるのか、それなら大学を卒業して就職した方が良いのでは…とぐるぐると悩み、抜け出せません。 ここから抜け出すための糸口になるようなものを教えていただけないでしょうか。 長文失礼しました。
(全文そのまま掲載しました)


やりたいことやりましょ。 だって、やらなかったら、「生理のせいで何もかもうまくいかない自分」を生き続けることになっちゃうもの。そんな自分、やりたくなくない?

もうあなたはね、十分苦しんできたと思うんですよ。生理って、苦しくてもオープンに言いづらいことがあるでしょ。言ったとしても、「生理がつらいだなんて甘え・私は乗り越えたわよ女」に説教食らうことすらあるでしょ。

この「私は乗り越えたわよ女」も、きっと、それはそれでつらいんだとわたしは思うのね。

自分にも生理がある
↓ 生理でなにかをあきらめてる人を見ると、自分まであきらめないといけないような、自分までなんていうか不利グループの一員であるような気にさせられる

私は乗り越えたわよ! アピールで不利グループ脱出、エア勝利

みたいな心理でしょ、たとえば。けどまあどんな心理だろうと、そんなん言われたら、「あなたの生理とわたしの生理は違う」と申し上げざるを得ない。生理がある人がみんな同じ経験をするわけではないですよね。重い人も軽い人も、これさえ飲めばって薬と出会える人も出会えない人も、症状がメンタルな人もフィジカルな人も両方の人も、婦人科治療を受けられる人も受けにくい人もいる。

そういう人それぞれの生理体験を乗り越えていくにあたって、現代のテクノロジー、人類史上最高じゃない?

たとえば、そもそも生理用品という専用グッズが存在するでしょ。生理用ナプキンが発売されたの、1961年なんだそうですよ(参考:現代ビジネス)。存在しなかったのよ、生理用品。けど現代では、よくあるポリマーナプキンだけでなく、他にも、布ナプキン、コットンナプキン、流せるナプキン、タンポン、専用下着、IUS、月経カップまである。経血そのものの対策のみならず、生理のつらみ対策だって、鎮痛剤、ピルなどのホルモン療法、よもぎ蒸しパッドに骨盤調整ヨガ、ハイテクからローテクまでなんでもある。まずは月経周期を整え、それが整ったなら生理日予測アプリで体調を考えながらスケジュールを組むことだってできます。周期上どう考えても具合悪い時と良い時があらかじめアプリで一覧にできるなんて、むしろ「生理って便利じゃね?」とすら思うようになってきたわ、最近。

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牧村朝子

性のことは、人生のこと。フランスでの国際同性結婚や、アメリカでのLGBTsコミュニティ取材などを経て、愛と性のことについて書き続ける文筆家の牧村朝子さんが、cakes読者のみなさんからの投稿に答えます。2014年から、200件を超える...もっと読む

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コメント

shokoku_junrei 『やりたいことやりましょ。 だって、やらなかったら、「生理のせいで何もかもうまくいかない自分」を生き続けることになっちゃうもの。そんな自分、やりたくなくない?』 https://t.co/Y0O7J6GfVD 4ヶ月前 replyretweetfavorite

guriswest 「生理用ナプキンが発売されたの、1961年」 まじか。 今って最高だなぁ。まだまだだなぁと思うこともきっと良くなる。 4ヶ月前 replyretweetfavorite

kiki85641279 まきむうさんはいつも我らの味方(^^)心強い。 https://t.co/BvbkFPDF6P 4ヶ月前 replyretweetfavorite

34colorchoice79 かっこいいなあ、最後の名言しびれました 4ヶ月前 replyretweetfavorite