マレーシアに住んでいて驚くのは、マレーシアン・タイムと呼ばれるのんびりした時間の感覚と、怒る人が少ないことです。
ではマレーシアの人がどのくらい怒らないのか、ちょっとご紹介しましょう。
ビックリするほど「怒らない」人々
1つしかない駅の切符売り場にて。「トイレに行くので席外しますー」トイレじゃ、仕方ないですよね?
マレーシアに来て、私自身はもう数年、街で怒っている人を見ていません。マレーシアでは、信号が壊れていたり、銀行のシステムが落ちていたり、電車が1時間遅れていたりします。しかし駅などで怒号を聞くことも、小言を言われている従業員を見ることもないです。街宣車で怒鳴っている人の声を聞くこともありません。
マレーシアといえば、「寛容性」「多様性」というキーワードで紹介されることが多いのですが、本当にびっくりするくらい怒らないのです。
クアラルンプールの真ん中にあるレストランに入ったときのこと。料理が長い時間出てこないことがありました。同行のマレー人が気になって厨房を覗いてみたら、なぜかスタッフが誰もいません。食事どころか会計もできなくなり、30分以上待たされました。ランチタイムで、店は地元のビジネスマンでいっぱい。誰もがお腹をすかせて待っているのに、です。
そこへ一人戻ってきたスタッフが「すいません、なぜかみんなどっか行っちゃったんです。料理はキャンセルしてもらって構いません」と謝ったのですが、周りにいたビジネスマンたちは誰も怒らない。「しょーがないねー(笑)」って言って、席を立って次々に別の店に行ったのです。なんというか、こういうときに、全部最後に(笑)がついてる感じなのです。
私も日本だったら文句の一つも言っていたかもしれません。でも、何しろここはマレーシア。一緒にいたマレー人の女性も「しょーがないわね、他の店に行きましょうか」というので、諦めて別の店に行くことにしました。それでおしまいです。
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