本当の意味での「自分らしさ」とは?【第10回】

脳科学者・茂木健一郎さんと心理カウンセラー・長谷川博一さんによる「生きづらさ」の正体を語る対話は、さらに続きます。茂木さん自身が体現する「自己受容性」の高さは、どうやら子ども時代の生い立ちにルーツがあるようです。それを受けて、長谷川さんは親たちへのメッセージを発信します。
発売中の書籍『生きる──どんなにひどい世界でも』を連載で全文公開。(火・木・土更新)

photo by 飯本貴子

「自己受容」と 脳の関係

長谷川 社会的に評価を受けるか、注目を集めるかどうかは関係ない。その人の価値は独立している。そういう点でみんな一緒ということですよね。

茂木 その中で自分の喜びがあるし、何かやりたいことができたときの喜びもある。でもそれが、社会で肯定されたり評価されたりすることである必要はないんだろうと思います。それは本質ではないから。

長谷川 今のお話は、「自己受容性」がすごく高まった状態だと思うんですけど、自己受容性が高い人って、脳ではどう説明できるのですか?

茂木 自分自身を客観的にどれくらい見られるかということですよね。つまり、脳の中で、自分が実際にどういう人であるかということと、どういう人でありたいかという願望とのズレがあればあるほど、本人は苦しむ。それが一致すればするほど、自己受容に近づく。要するに、前頭前野(※19)を中心とするメタ認知(※20)の働きに関係しています。

長谷川 心理学でいうと、現実自己と理想自己、期待自己、それらの乖離が小さいときに「自己受容性」が高いとされる。それには前頭前野が関係しているということですね。

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生きる──どんなにひどい世界でも

茂木 健一郎,長谷川 博一
主婦と生活社
2019-07-19

この連載について

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hamanorinjin 「子ども時代って、自分の存在を無条件に肯定してもらえることが最も素晴らしいと思うんですよ。子ども時代はそういうものであってほしい。」 https://t.co/D8V83Z1chU 約2ヶ月前 replyretweetfavorite