アンダークラスの増加を食い止めるためには何をすればいいのか。『新・日本の階級社会』(講談社現代新書)の著者である橋本健二・早稲田大学教授に聞いた。
── 日本は階級社会であると指摘し、注目を集めています。
資本主義社会には必ず階級が存在する。だが「一億総中流」といわれていた時代は目立たなかった。最大の原因は高度成長だ。資本家階級と労働者階級にさほど大きな格差はなく、労働者階級でも大部分の人は安定雇用の下で、結婚して子どもを育て、基本的には同じ耐久消費財を持つなど、共通の消費スタイルや文化を持っていた。
ところがバブルの終わり頃から、新卒でフリーターになってそのまま非正規であり続ける人々が生まれ、その規模が大きくなってきた。同時に階級間の格差も拡大し、階級社会としての姿がそうとう明確になってきた。
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