菅沙絵
もしかしてだけど、彼が運命の人?
百鳥ユウカさんは、元カレと親友が付き合い始めたことに心を痛めていた。35歳独身・婚活中の百鳥ユウカの波乱万丈な日常を描く、婚活エッセイ小説。
渋沢の車に乗り込んでからも、池崎としおりが付き合い始めたことについて、ユウカは考えていた。
(趣味が同じだから……?)
(しおりの方が私より優しいから……?)
それでも私がしきりに思うのは、池崎が、「私のことを愛している」と言ったその唇で、他の女性にも同じ言葉をささやいたこと。
もう中高生じゃないから、永遠に一緒になんてありえない、ってことはわかっているけど。
「……ふざけんじゃないわよ」
渋沢の車の窓から、流れる景色を眺めながら、ユウカは、冷静にこの状況を考えていた。
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この連載について
菅沙絵
友人たちが彼女につけたあだ名は「レジェンド・ユウカ」。結婚市場に残された最後の掘り出し物という意味だと説明されたが、たぶん揶揄する意味もある。妥協を知らない彼女が最後にどんな男と結婚をするのか、既婚の友人たちは全員興味深げにユウカさん...もっと読む
著者プロフィール
神奈川県座間市出身。実践女子短期大学卒業後、20歳で大手メーカーへ一般職として就職。20代の頃より小説の投稿を続け、3年前より本サイト「cakes」にて連載を始める。その後、自身初の書籍化。
現在は、自分に正直に生きているだけなのに結婚できないOL百鳥ユウカを主人公にした小説「結婚できない2.0〜百鳥ユウカの婚活日記〜」をcakesにて連載中。