異質な他者」への攻撃はなぜ起こるのか【第5回】

不登校、自殺未遂……クライエント(相談者)と向き合うとき、カウンセラーによって対応が分かれることがあるようです。長谷川博一さんの話を聞いた茂木健一郎さんは、表面に見える心のトラブルの「背景」に目を向けます。書籍『生きる──どんなにひどい世界でも』(7月19日発売)の第1章「なぜ この世界は生きづらいのか」は、いよいよ佳境に。(火・木・土更新)

photo by 飯本貴子

カウンセラーは 魔法使いではない

茂木 一般的に、カウンセリングは、問題点を治したり、苦手なことを克服したりするための「外科手術」のようなものだと誤解している人も多いと思うんです。言い方を変えれば、「魔法使い」のようにクライエントの行動を変えることができると思っているかもしれない。例えば、「カウンセリングを受ければ、学校に行けなかった子どもが行けるようになる」というように

 でも、それは違いますよね。僕がカウンセラーに持っているのは、長谷川さんが今おっしゃったように、寄り添うとか、長く伴走していくイメージです。


長谷川 基本的に、例えば不登校なら「不登校だけを治せばいい」と考えるカウンセラーは少数派だと思います。でも、主訴を改善すればいいという考え方のカウンセラーもいる。

「主訴」とは、「これを治してほしい」というクライエントやその親御さんなどからの中心的な訴えです。学校現場で働くカウンセラーは、学校や教育委員会の要請に応えようとするあまり、少しでも教室に入れるようにしよう、少しでも保健室にいる時間を短くしようなどとして、助言的な関わりが増えてしまう場合もあるようです。

茂木 そんなカウンセラーさんもいるんですか。ちょっと驚きだなあ。

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脳と心で考える、生きづらさの正体

生きる──どんなにひどい世界でも

茂木 健一郎,長谷川 博一
主婦と生活社
2019-07-19

この連載について

初回を読む
生きる──どんなにひどい世界でも

茂木健一郎 /長谷川博一

「生きづらさ」の正体は何なのか? 現代社会の病理はどこにある? 脳科学者と臨床心理学者が出会ったとき、いのちが動きはじめ、世界の見え方が変わります──。7月19日発売の書籍を全文公開。

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